前川喜平「教師に強制される仕事」にモノ申す 前文科事務次官が訴える理想的な学校の姿
教員の仕事から部活動は外すべき
――部活動が教員の長時間労働の大きな原因になっています。
先生には授業でもっと勝負してもらわないといけない。それこそが教員の専門性だし、子どもに必要な学力をつけさせるための力を教員にはつけてもらわないといけないので、それ以外の余計なことはできるだけ少なくしてあげなければいけない。
部活動は専門の指導員を学校職員として配置したほうがいい。部活動に対してはいろいろな考え方があって、たとえば学校の外、地域活動のほうに持っていくべきという意見がある。ただ中体連(日本中学校体育連盟)、高体連(全国高等学校体育連盟)、高野連(日本高等学校野球連盟)といった学校単位で加入する組織がしっかり根を張っているし、地域が地元の学校を応援していることもある。だから部活動、特に学校単位のスポーツは日本の風土からなくならないと思うし、学校の外に出すという考え方は現実的ではない。
学校の活動として残すけれども、教員の仕事から外す方向で考えたほうがいいのではないか。でも完全に外すのではなくて、一定の関わり方は持っていたほうがいいと思う。部活が大好きという先生がいるから、そういう人にはボランティアベースでやってもらってもいい。ただし授業をおろそかにして部活動にのめり込むのはおかしい。そういう教員がけっこういるのだが、本末転倒だ。教員免許状は教科を教えるためのものであって、部活動の免許状ではない。
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