渋谷の「駅と街」は40年でこれだけ変わった

昔は駅前に魚屋やレトロなアパートもあった

その銀座線が車庫へと向かう線路の横には、昭和40年代前半まで路面電車の東急玉川線(通称玉電)が走っていた。同線は渋谷駅を出ると道玄坂上から国道246号の路上を経て二子玉川園(現・二子玉川)までを結んでいたが、1969(昭和44)年に現在の世田谷線を残して廃止された。現在の渋谷マークシティの道玄坂上に至る通路がほぼ、かつての玉電の路線跡である。

玉電のルートを引き継いで建設されたのが東急新玉川線(現・田園都市線渋谷―二子玉川間)で、渋谷の地下を走る「地下鉄」は1977(昭和52)年に同線の渋谷駅が開業したのが最初だ。翌年の8月には地下鉄半蔵門線が青山一丁目まで開業して直通運転を開始し、その後路線が延伸されて現在に至っている。

想像できなかった東横線の変化

東横線を走る5000系(1977年・筆者撮影)

ゴンドラのあった時代から玉電の廃止、新玉川線の開業などさまざまな変化を経てきた渋谷駅だが、近年の変化の中心はなんといっても東急東横線だろう。かつての東横線では「アオガエル」といわれた名車の5000系、日本初のオールステンレス車7000系の急行などが発着していた時代が思い出多い。5000系は現在ハチ公前広場に車体が展示されているので、現役時を知らない人もおなじみだろう。

東横線の変化は21世紀に入って活発化し、2001(平成13)年3月28日には東急初の特急である「東横特急」が設定された。これはJR東日本の「湘南新宿ライン」運転開始を前に、渋谷―横浜間の競争に備えたものだった。さらに、2004(平成16)年2月1日に開業した「みなとみらい線」によって東横線は横浜側も大きく変貌した。

2001年3月28日、運転初日の「東横特急」(筆者撮影)

そして、2013(平成25)年3月16日の東京メトロ副都心線との直通運転開始とともに、それまでの地上駅が一気に地下5階に移動した。

地下化された東横線渋谷駅の利便性には賛否両論があるが、私が渋谷に居住していた頃、地元のお年寄りたちにはおおむね不評だった。乗り換えの時間が地上時代の倍以上かかること、中間駅となってしまったため座席の確保が難しいこと、ホームが狭いことなど、お年寄りには使いにくくなったのも事実だろう。

渋谷の人の流れは、交通体系とともに大きく変わってきた。西武や東武の電車が渋谷駅に乗り入れるとは、40年前の私にはまったく想像できなかった。長くこの街に住み続けた者として、渋谷が利用しやすい駅に変化していくか、今後も再開発の行方を見届けたいと思っている。

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