乗り換え検索「駅すぱあと」、大変身の舞台裏

「酔っ払いモード」導入の狙いは?

「駒次鉄道×駅すぱあと 鉄道落語」の様子。左側の壁に「駅すぱあと」の路線図が映し出されている(筆者撮影)

対外交流は、これらのほかにもあの手この手で行っている。昨年からは、ヴァル研究所本社のある高円寺で開かれる「高円寺演芸まつり」に協賛し、本社で「鉄道落語会」を開催している。「駅すぱあと」ユーザーを集めて、鉄道落語の高座を開くのだ。高座の幕あいには、ヴァル研究所の鉄道好き社員と落語家のトークショーも行われる。

また、地方を応援する目的で、各地の特産品などを同社を通じて通信販売する「駅すぱモール」を開設している。当初は各地の特産品が多くみられたが、最近では、オリジナルヘッドマークをつけた列車を走らせるとか、会津鉄道のラッセルモーターカーの操縦体験など、鉄道好きが興味をもつ商品が多く発売されている。地域活性化を図るとともに「駅すぱあと」ユーザーの拡大も目指す試みだ。

このほか、かつて「駅すぱあと」のCD-ROM版に収録していた「日めくりカレンダー」を再開しようと「乗りもの日めくりカレンダー2018」に向けたフォトコンテストも行っている。かつての「日めくりカレンダー」は、その日にちなんだ内容をピックアップして毎年筆者が作り込んでいた。それを、日付に限定されることなく、対象を鉄道から乗り物全般に広げたうえで、ユーザーを巻き込んで作ろうというわけだ。

新サービスは自由な発想から

これらの取り組みは、そこから直接得られる利益を期待しているのではなく、ユーザーと顔が見える関係を築いていくことで、個人ユーザーの開拓に生かせることを期待してのことだという。それだけに、いまは微々たる動きだが、そこで蓄積したノウハウを使い、いずれは大きく展開していきたいとのことだ。

このような種々の施策の結果として誕生したものの一つが、開発者の実体験から生まれたという前述の「酔っ払いモード」だ。若者を対象に、夏コミ(夏に開催される「コミックマーケット」)を応援するキャンペーンで少女キャラクターを登場させたこともそうだが、発想を豊かに、かつ自由な発想を……との太田社長の方針が実践されていることを感じさせる。

乗り換え案内サービスの老舗「駅すぱあと」は、完成するどころか、いまもって進化している最中であった。その要は「発想力」であり、斬新な発想を得るために、筆者から見ると「なにか変」と感じる活動をしていたことがわかった。

今後も各種サービスの開発進展により、ユーザーに公共交通をより使いやすくするとともに、事業者の経営効率化にも役立つシステムとして「駅すぱあと」は発展していきそうだ。

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