乗り換え検索「駅すぱあと」、大変身の舞台裏

「酔っ払いモード」導入の狙いは?

経路検索システムに加え、バスの利便性向上に向けたバス事業者向けのサービスも始まっている。

バスは、時刻データなどの情報をタイムリーに得ることが難しく、経路検索システム各社が苦労しているところだが、ヴァル研究所は路線バスのカバー率が神奈川県と大阪府で91%、兵庫県89%、東京都88%、京都府82%など、首都圏や関西圏では特に強い。

バスロケーションサービス「SkyBrain」の事例(写真:ヴァル研究所)

これらのバス事業者に対して今春から提供を始めたのが、バスの位置情報を収集・配信するためのバスロケーションサービス「SkyBrain」だ。従来からあるGPSだけを使った同種のサービスは精度が低く、実際の道路と離れたところを走っているかのような表示になることがあった。その精度を大幅に向上させ、さらに中小規模のバス事業者でも導入可能な、低価格で提供できるシステムを開発したのだ。低価格化は、バスに搭載する端末に汎用のSIMフリースマホを採用することなどで実現できたという。

同社はこのシステムをさらに発展させて、オンデマンドで必要なところに必要なサービスを提供できるシステムを目指している。これが実現することで、イベント開催時はもちろんのこと、降雨・降雪等で乗客が増えるときに、適切な台数のバスを必要なところに走らせる一方、乗客のいない便を走らせることをなくすようなことも可能にしたいという。

社員は外を見て動け!

検索エンジンはすでにどこも横並びになっている。それだけに、関連ソフトの広がりをいかに発想できるかが、今後のヴァル研究所の発展のカギを握っているとみてよさそうだ。

その発想を得るために、太田社長は「社員は外を見て動け」という方針を出しているという。社内で考えていると、出てくるアイデアは当たり前なものになりがちだが、外部の人とコミュニケーションすると発想が豊かになり、新たな発想も湧いてくるものだ。その効用を熟知しているのは、太田社長が長年営業畑を歩んできた結果であろう。

外を見るには、社員が出掛けるだけでなく、社外の人を自社に呼んで話し合うという方法もある。そのために、ヴァル研究所では講演・勉強会とともに社内見学ツアーを積極的に受け入れており、この1年半に約400人もが社内見学に訪れているという。

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