「毎日が刺激的で、とにかく仕事に夢中でした。大学時代から付き合っていた彼に“そろそろ結婚を考えない?”って言われたんですけど、あの頃の私は、“結婚してしまったら、今の自由がなくなる”って思ってしまったんです。それに、まだまだ彼よりもいい男性が現れてくるような気がした。“もう少し仕事がしたいから”と言っているうちに、なんだか彼との関係もギクシャクしてきて、28歳になってまもなく別れてしまいました」
彼がいながらも、20代のころは仕事で出会った男性から食事に誘われることが多かったし、合コンに行けば必ず、「連絡先を教えて」と男性から声をかけられた。だから、結婚は今焦らなくても30歳になってからゆっくり考えれば十分間に合う――遅くても35歳までにすればいいと思っていた。
ところが、33歳ごろから、周りの景色は一変した。男性から声はかけられるものの、すでに彼女がいる人だったり、既婚者だったりして、潮が引くように付き合う対象となる人が減っていった。
そこで、“なんとか35歳までには結婚できる相手を見つけたい”と思うようになった。これまでは“人数合わせ”や“出会いを楽しむため”の合コンだったが、本気で結婚相手を探す目的で参加するようになり、友達や仕事周りの人たちには、“いい人がいたら、ぜひ紹介してください”と婚活宣言をした。
「そうして合コンや紹介で出会っても、1度か2度食事をすると、自然消滅的に終わってしまう。考えてみると、20代でもそうでした。そういう場で知り合った人たちって、数回食事をすると連絡が来なくなるし、付き合ったとしても3カ月とか半年の短いサイクルで恋愛が終わっていたんですよね」
"結婚したい"と思うほど、身も心も疲弊していく
そうこうするうちに35歳になった里美は、いよいよ焦りだし、“もっとピンポイントで狙える婚活をしないと結婚できないのではないか”と、思うようになった。そこで結婚情報センターに入会した。ところが、お見合いしても、しても、結婚したいと思う人には出会えなかった。
実は、この“結婚したい”という思いが強くなることが、婚活疲れにつながっていくのだ。出会いを楽しむ余裕がなくなり、“結婚相手に出会うこと”により執着をしていく。執着しているのに、うまくいかない。
そうして、真剣に婚活を始めて3カ月ほど、お見合いの回数でいうと10回を超えたあたりから、婚活疲れを起こす人が出てくる。里美のようにそれを2年続けていたら、身も心もほとほと疲弊していく。
「週末になるたびに、お見合いをしにホテルのティーラウンジに行く。ティーラウンジって、ウエーターさんが席まで案内してくれますよね。何度も行っているからもう顔も覚えられちゃってて、“ああ、この女、またお見合いに来てる。まだ結婚できないのか”って思われているんじゃないかなって邪推してしまうんです(苦笑)」
さらに、こうも言っていた。「自分が本気で好きになった人にフラれるならまだしも、お見合いで出会って、可もなく不可もなく。“まあ、頑張ればこの人を好きになれるかなあ”という人に交際希望を出す。それなのに相手からは、お断りがくる。そうすると、“私は、こんな人にさえも相手にされないのか”と絶望的な気持ちになります」。
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