普通の親が「モンスター認定」される背景事情 「学校に要望をうまく伝える技術」はある

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まず1つ目の内容面です。

1. 一方的かつ過度に自己中心的な要求
2. 実限不可能な無理難題
3. 良識や法律に反すること

などの場合は当然ながら問題があります。でも、そもそも自分の要求がこの3つに該当していることに気づけないことが問題なわけです。

その前に、誰かに意見を聞いてみる

そこで大事なのが、「いきなり学校に言うのではなく、その前に誰かに言ってみる」ということです。たとえば、夫、妻、家族、親戚、兄弟、ママ友、近所のおばさんなどに話してみてください。そうすれば、率直に「何言ってるの! 先生がそう言うのは当たり前でしょ」とか「そんなこと学校に言っても無理に決まってるでしょ」などと言われるかもしれません。第三者に、客観的立場からそう言われれば、もう一度考え直すことができますし、学校に理不尽なクレームをつけなくて済みます。

あるいは逆に「そうだよね。先生がそんなこと言っちゃいけないよね。頭にくるよね」と共感してもらえるかもしれません。ひとりの意見だけだとこちらに気を使って同調してくれている可能性もありますが、何人かが同意見の場合は、考え違いをしているわけではないとわかって、自分の考え方に自信が持てるようになります。

同時に、共感してもらえたことで、気持ちが落ち着き冷静になることができます。さらにたくさん話してたっぷり共感してもらえば、かなりのガス抜きができて、これからの行動について慎重に考えられるようになります。

ネットのQ&Aサイトを使う方法もあります。たとえば、「Yahoo!知恵袋」「発言小町」「教えて!Goo」「OKWAVE」「人力検索はてな」などです。回答は玉石混淆ですが、いろいろな考え方を知ることができ、自分のケースを客観的に眺められるようになります。複数のサイトで同じ質問をすれば、非常に多くの人から回答をもらえますし、よりよい解決のヒントが得られることもあります。特に、身近に話を聞いてくれる人がいない場合、これはかなり有効な選択肢だと思います。なお、書き込む際は、個人や学校が特定されることのないように気をつける必要があります。

内容面でもうひとつ気をつけてほしいのが、子どもの話を鵜呑みにしないということです。実際にこういう事例がありました。

次ページ相手にも言い分があるはず、ということを念頭に
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