短期利食いのチャンス到来、中長期は調整へ

藤戸則弘氏に聞く

重要なことは中期トレンドを示す200日移動平均線はあと100円のところで割り込みそうで、これを割ることがあれば、2016年11月以来で、トランプ相場で上がってきたトレンドが変わり、1万9000の大台を割る可能性も十分に出てくる。9月9日までは下値模索の展開だろう。最大で1万8500円までは覚悟しておいたほうがいい。

――このままずるずる下がるのでしょうか。それともアク抜けし戻るのでしょか。

北朝鮮のイベントが落ち着けばリバウンドして、年末には2万0500円程度まで戻る可能性はある。超短期的に見れば、今の下げ局面で下値を買っておけば、年末や年度末には利食える、2万円に乗ったところで売れるという相場だろう。

しかし、中長期ではお勧めできない。アベノミクス相場は相当無理しているのでその反動が出る。2年先を考えると米国のマネーもシュリンクするので、間違いなく大きな調整に入る。

中期では米国のバランスシート縮小が転機に

――米国の利上げに関してはどう見ていますか

年内はないと見ている。金融政策で一番重要なのは物価だが、CPIは7月1.7%、PCEコアデフレーターは6月1.5%と年初から下がってきている。これまでは、「2%に到達する蓋然性が高い」と言ってきたが、直近では「予想以上に2%を割れた水準で推移することが長期化するかもしれない」と言いはじめている。

この見方が出てから市場は利上げの可能性は消えたと見ている。フェデラルファンドレート先物で、9月は0%。12月は28%の織り込みだ。BSの縮小は最初は100億ドルと規模が小さいので開始するだろうが、利上げは年内ないだろう。ドル高観測はFRBの利上げによる内外金利格差拡大からきていたので、それも消えてしまった。明らかにドル安方向にあり、米国政府も自国通貨安に対して牽制発言をしないで容認している。

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