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証券アナリストを淘汰する新規制の"殺傷力" 「ミフィッド2」で大量失業時代がやってくる

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  • 大槻 奈那 ピクテ・ジャパン シニア・フェロー、名古屋商科大学大学院 教授
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しかし、これらの証券会社の価格設定は、運用会社の予算とまだそうとうギャップがあるとみられる。ある世界最大級の運用会社は、年間調査費用を5.5億円以下とする予算を公表した。事前には、この20倍の110億円程度とも予想されていたので、想定外の低さだ。

現在、運用会社が証券会社などに支払っているリサーチ料金は、預かり資産に対して年0.05~0.07%程度とみられる。しかし、今回提示されたこの運用会社のリサーチ予算案は、預かり資産に対してわずか0.0001%だ。この運用会社は特に節約型だとみられるが、ほかの運用会社でも、予算は預かり資産に対して0.01%に満たない額が提示されている。

これらの予算案の詳細はまだ不明だが、おそらく現在支払っているリサーチ料金よりもかなり少ないとみられる。AIを活用したり、新たに人材を採用したりして、運用会社自身の調査機能を充実させることで証券会社への支払いを抑制しつつあることが背景にある。

リサーチ料金は3割程度減少との試算も

あるコンサルティング会社は、ミフィッド2施行後は、リサーチ料金が3割程度減少すると試算する 。しかし、この試算はまだ甘いかもしれない。報じられている大手運用会社のリサーチ予算は、現在の数分の1とみられる。だとすると、世界全体のリサーチ料金は3割減どころか5割以上減少する可能性もある。

現在、世界には6000人弱のアナリストがいるとみられる。多い企業では、1銘柄について数十人が同じような決算リポートを出している。たとえば、米国のアップル社を調査しているアナリストは60人もいる 。世界で毎日8000通ものリサーチリポートが発行されるが、読まれるのはわずか数%といわれる。いずれにしても、アナリストの数は整理される方向だったと思われるが、ミフィッド2でその動きに拍車がかかりそうだ。

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