「るるぶ」経営のレストランは何が新しいのか 編集者ならではの「こだわり」がある

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このように、本来、現地あるいはその地域のアンテナショップなどで入手できる食材を使い、また別々の土地の食材を組み合わせて、新しい味を提案しているのが、同店のメニューの特徴と言える。

「地域の生産者の方がお客様として来られることも多いです。アレンジしたメニューを食べてみて“こんなふうに料理できるんだね”と驚かれることもあります。このようにして、地域にフィードバックすることでも、土地の魅力づくりに役立てられればと思っています」(青木氏)

もうひとつ定番の人気メニューは、岩手県の「CAVA(サヴァ)とジャガイモのトマト煮」(1400円)。震災後に復興のために商品化されたサバの缶詰を使ったもので、ボリューム感たっぷりなところが受けているとのこと。なお商品名は、フランス語の「サヴァ(元気ですか)」をかけてあり、パッケージデザインもおしゃれなため、お土産としても人気という。

特集としては5期目にあたる8月24日~9月13日の特集「どっちに行きたい?北九州市・南九州市」では、関門海峡たこやさつまいも、南九州の和菓子、あくまきなどを利用したメニューを楽しむことができる。

「観光」を活性化させることが狙い

今後の展開については、全国の自治体から特集企画の問い合わせを受けており、年内の特集スケジュールが決まりつつあるとのこと。長期的な方針については、オープンの客足が落ち着いたところで、安定した利益が出していけるかが見極めどころだろう。

食の安心・安全や食育への意識の高まり、日本ブランドブームを背景に、消費者と生産者をつなぐ取り組みがさまざまに行われている。るるぶキッチンも、そのひとつと見ることもできる。しかしるるぶキッチンの目標はあくまで観光という「楽しみ」をもっと活性化させること。「まずは気軽に楽しみにきてほしい」(青木氏)というのが、編集者としての思いのようだ。

圓岡 志麻 フリーライター

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まるおか しま / Shima Maruoka

1996年東京都立大学人文学部史学科を卒業。トラック・物流業界誌出版社での記者5年を経てフリーに。得意分野は健康・美容、人物、企業取材など。最近では食関連の仕事が増える一方、世の多くの女性と共通の課題に立ち向かっては挫折する日々。contact:linkedin Shima Maruoka

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