農協専門「みのり監査法人」は何を目指すのか

数年で準大手監査法人に匹敵する可能性も

みのり監査法人は監査機構からの転籍者の受け入れを想定しており、公認会計士資格の取得を促す方針だ。仮に農協監査士約500人全員が転籍し、公認会計士資格を得た場合、4大監査法人に次ぐ陣容になる可能性がある。

立地と業務監査が障壁

600以上の農協が公認会計士監査を受けるようになれば、巨大な監査市場が創出される。大手監査法人にとって絶好の機会だろう。

それなのになぜ、人手不足が深刻化している大手監査法人は貴重な農協監査経験者を気前よく送り出したのか。農協監査について、現時点で参入を予定していると回答した4大監査法人はない。

杉浦教授は「農協は全国にあり、離島など交通の便が極端に悪い場所は物理的に対応が可能なのかという問題がある。会計監査は信用金庫、信用組合とほぼ同じだが、業務監査については農協の業務の特殊性を理解する必要があり、(参入の)ハードルが高い」と見る。

当記事は「週刊東洋経済」8月26日号 <8月21日発売>からの転載記事です

一方で、農協の公認会計士監査がみのりの独占となれば、これまでのJA監査とどう違うのかという疑問を生み出しかねない。

実際、「約500人の実務担当者が引き続き実務を担うのであれば、従前と変わらないのではないか」と見る会計士もいる。

2年後のJA監査の終了を見据えて動きだした、みのり監査法人。これまでの不信を払拭することができるのか。重い責任を抱えた船出となった。

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