中国富裕層が日本を「物足りない」と思うワケ

訪日富裕層の「若者世代」は何を求めているか

成金的な行動を取ることがしばしばある「暴発戸」の人は、このような感じだ。貫禄たっぷりの50代の男性。ダサい服を着て、ごつい金のネックレスや指輪をつけている。ベルトや時計は一目瞭然の欧米ブランド品だ。彼らの隣には同じようなファッションセンスの中年女性、あるいは娘とおぼしき年頃のブランドだらけの女性がいる。

歩道いっぱい横一列になってわが物顔で歩き、マナーや日本の行儀はまったく気にしない。「おカネがあるから俺は神様だ」「すべて俺の思いどおりにしろ」というオーラをプンプン出している人たちだ。多額の消費をするが、気にいらないことがあると爆発しそうで、怖い感じも与えるので、あまり歓迎されないことが多いだろう。

上記の「暴発戸」に対して、「奮一代」は、現在50代以下の富裕層に多い。大学で学んだり、留学できるようになった世代で教養も豊かだ。名前のとおり、自分の知識を活用し、ゼロから努力し一代で成功した実業家たち。最近日本でも知名度が上がっている中国EC大手アリババのジャック・マー(馬雲)はその代表的な人物であろう。彼らは、自分のこだわりや習慣があるが、暴発戸に比べると、はるかに多くの海外のものを受け入れる。

そして、現役の経営者も多いので、日本に来ると、観光だけではなく、商機を見つけ、自分のビジネスの発展につなげている人が多い。したがって、彼らの心をがっちりとつかむには、単に裕福な観光客としてだけでなく、将来のビジネスパートナーという位置づけでおもてなしを考えたほうがいいのではないか。

大きく2つに分かれる中国富裕層の第2世代

富一代(富裕層の第1世代)の子どもである富ニ代(富裕層の第2世代)は、親に比べると、はるかに幸運に恵まれている。豊かな環境の下で育てられ、庶民が一生頑張っても夢のような生活をしている。

ここで富二代を代表する20~30代男女であるAさんとBさんを紹介しよう。2人とも、食品販売や洋服転売という「泥臭い」ビジネスで大富豪になった親の一人っ子であり、幼稚園から最高の教育を受けてきた。

Aさんは今年27歳の男性。普段は大してぜいたくしていないが、それでも年3回以上ビジネスクラスで欧米旅行する。18歳のときに免許を取得したご褒美はBMWのスポーツカー。西海岸には日本円にして数億円の資産価値がある別荘を持ち、フランスにはワインの酒蔵を保有している。

Bさんは今年32歳。女性なのでさらに大事に育てられてきた。通学は運転手付きの専用ベンツで毎日送り迎え。旅行はファーストクラスだ。10代から誕生日パーティは世界中の超高級ホテルの「プレジデンシャルスイートルーム」で開き、友達からのプレゼントは、ルイ・ヴィトンやシャネルの限定版バッグか靴が基本。16歳の時に親からもらった誕生祝いはオーダーメードのエルメス・バーキンだ。

2人とも裕福な家に生まれ、留学経験があることも共通だ。だが、彼らの違いがはっきりと出てきたのは、成人してからだ。

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