グーグル「批判した社員の解雇」は許されるか 賛否をめぐってシリコンバレーが揺れている
[サンフランシスコ 8日 ロイター] - 米グーグルが、会社の女性雇用方針を批判するメモを書いた男性技術者を解雇したことを受け、シリコンバレーでは、リベラル色が強いテクノロジー企業と、一部の保守的な考え方の関係者との間の文化的な対立が改めて鮮明になっている。
メモを書いた技術者のジェームス・ダモア氏(28)には、批判と称賛のほか、いくつかの採用オファーが寄せられている。ソーシャルメディア上では議論が沸騰する一方で、自社で似たような事態が起きないよう予防策を取るテクノロジー企業も出ている。
グーグルは保守的な意見を敵視している?
ダモア氏は、IT大手アルファベット<GOOGL.O>傘下のグーグルから7日に解雇されたことを確認した。グーグルが保守的な意見を敵視しているほか、平均的に女性はより神経症的だという内容の10ページのメモを書いたことを受けた措置だという。
生物学的に男性の方が女性よりもコーディングの仕事に適しているという内容のダモア氏のメモについて、シリコンバレーの多くの人が、不快で破壊的だと受け止めている。一方で、特に政治的に右寄りな人の中には、ダモア氏は勇気をもって真実を語ったとして評価する人もいる。
今回の騒動により、保守活動家とテクノロジー業界との間で過去にあった深い溝に再び注目が集まっている。
2014年には、非営利組織モジラ財団のトップが、同性婚に反対する立場であることが公になり、辞任に追い込まれた。テクノロジー企業幹部は同性婚賛成派が多く、同性婚が合法となる前から、同性カップルに異性カップルと同様の福利厚生を提供している会社が多かった。