グーグル「批判した社員の解雇」は許されるか

賛否をめぐってシリコンバレーが揺れている

ソフトウエア会社ガストのジョシュ・リーブスCEOは、9日のスタッフミーティングでもメモの話題が出ると予測する。同社の行動規範では、ダモア氏が書いたような他人を傷つける内容のメモは「明示的に禁止されている」という。

ダモア氏は8日にはロイターの取材に返答しなかったが、7日のメールでは、解雇について法的措置を検討しているとしていた。

グーグル自体が訴えられるリスク

雇用問題を専門とする法律家は、ダモア氏が解雇を不当として訴えても認められる可能性は低いと述べた。また、もしグーグルがダモア氏を解雇していなかったら、グーグル自体が訴えられるリスクがあったという。

グーグル側は、個別の社員についての取材には応じられないとしている。

米企業は、職場での社員の言動を制限する幅広い権限を持っている。政府による言論への介入を規制した米憲法修正第一条は、民間企業の職場には適用されない。

ビジネス向け交流サイトのリンクトイン上のプロフィールによると、ダモア氏は2013年12月からグーグルでソフトウエア技術者として働いていた。また同年、ハーバード大学からシステム生物学の博士号を取得したとしている。だが同大は、ダモア氏が得たのは修士号であり、博士号ではないとしている。

テクノロジー業界に詳しい専門家によると、業界の創設期には、当時地味だったコーディングの仕事はほとんど女性が行っていた。だが最先端のプログラミング技術の価値が明確になるにつれ、男性が牛耳るようになったという。

他のテクノロジー企業は8日、グーグルを取り巻く状況を注視した。性別や多様性に絡む議論に巻き込まれずに済んで良かったと安堵する企業もあった。

「大きな組織なら、どこにでもジェームス・ダモアがいる。だがテクノロジー企業はより自由度が高く、個人的な見解をシェアしやすい」と、あるシリコンバレー企業幹部は言う。

テクノロジー企業には、「自分の考えを同僚とシェアする義務があると考える、頭が良くて自信家の職員が多い」のだという。

(David Ingram Salvador Rodriguez Heather Somerville)

政治・経済の人気記事
トピックボードAD
関連記事
  • 新型コロナ、長期戦の混沌
  • フランスから日本を語る
  • 日本野球の今そこにある危機
  • 財新
トレンドライブラリーAD
人気の動画
地方スーパーが撃沈「コスモス薬品」の破壊力
地方スーパーが撃沈「コスモス薬品」の破壊力
パチンコホール「ガイア」店舗撤退で大激変する勢力図
パチンコホール「ガイア」店舗撤退で大激変する勢力図
日本人が知らない「ビタミンD」不足の怖さ
日本人が知らない「ビタミンD」不足の怖さ
「上司の品格」を疑われる、やってはいけない7つの質問
「上司の品格」を疑われる、やってはいけない7つの質問
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
トレンドウォッチAD
SDGsが迫る企業変革<br>ビジネスと人権

サプライチェーンの中で起きる人権侵害への意識が高まっています。欧米では法制化が着実に進展し、企業に対し人権リスクの把握と対策を求める動きが顕著に。欧米に比べて出遅れている日本企業の現状を多角的に検証します。

東洋経済education×ICT