激変する不動産ファイナンス--外資撤退で迫る”9月クライシス”

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決済期間が長期化 機動的対応が困難に

金融庁の目線も依然として厳しく、銀行が融資に至る決済期間も長期化している。国内最大級の不動産ファンド運営のダヴィンチ・ホールディングス、金子修社長は「決済期間が、従来は60日程度だったが、現在では120日程度かかるようになっている。特に地方、中小、レジデンシャルのような案件だと長くなる傾向がある。ビットなどで機動的な対応が難しくなってきている」と話す。

それでも下表3のように、邦銀の多くが不動産ノンリコースローン残高を増やしたのは、期限前返済が急減したことも要因だ。銀行関係者は「融資案件は選別している。ただ既存の融資先が、物件の売却先にファイナンスがつかず出口が図れない」と話す。

外資撤収や邦銀の融資選別、不動産業向けの貸し渋り姿勢鮮明化により、不動産会社、ファンドは資産キャッシュ化を急いでいる。今3月は売り物でマーケットがあふれると思われていた。当初はその片鱗があったが、3月末が接近するにつれ、出物は先細った。銀行サイドがジャンプ(融資期限延長)に応じたため、不動産会社がたたき売りから保有に方針を変更したためだ。

一概にはいえないが、その最短の期限がくるのが9月。上期に引当金を積んだ銀行サイドも、今度は見限るとの観測も根強い。9月末に向けJ‐REITなど証券化市場を含めた不動産マーケットは熾烈な動きが続きそうだ。

(金融ビジネス編集部 撮影:尾形文繁)

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