「サブリースで大損した人」がハメられた手口

悪質なサブリース業者を見極めるには

だが、悪質な営業マンはその点を省いて口頭で説明をする。今回、取材に応じてくれた人のほぼ全員が「30年間家賃は絶対に下がらないと説明された」「家賃が下がってもウチが保証するから安心と言われた」というのだ。口頭の説明は証拠にならず、言った、言わないの水掛け論に勝ち目はない。しかも、2~3年もすれば担当者は異動などでいなくなってしまう。

そもそも、サブリース契約は事前説明がなく、建築請負契約のついでに署名押印というケースがあり、わかりにくく書かれていることが少なくない。前述の書面では「入居者転貸賃料」「オーナー賃料」「入居家賃」「70%固定家賃保証」などと紛らわしい単語が並べられており、何度読み返してもわかりにくい。家賃に限らず、免責期間(家賃を払わなくてもいい期間)の設定なども理解しにくい。

ニーズを無視した物件は危険

では、もし実家の親、あるいは自分がこうした提案を受けた場合にはどう対処すればいいのか。

はっきりノーという手もあるが、不動産経営自体は悪いものではないし、相続税対策として有効な場合もある。問題は相手の言いなりに勝算もないのに丸投げで経営を始めること。以下、具体的に何をすればいいかを専門家の意見などからまとめよう。

資産を棚卸しし、本当にアパート建設が必要かを考える

「本当に相続税が払えないほど多額か、資産を棚卸ししたうえで精査することが大事」だと不動産コンサルタントのケン・トータル・コンサルティングの内田憲一郎氏。「わずかな相続税のために億単位の借金をし、自己破産リスクを抱えるのが妥当か。実際の税額を出してみて比較検討すべきです」。

不動産ポータルからニーズの有無を知る

最寄り駅から徒歩8分以上にワンルームを建てるなど、ニーズを無視した住宅では満室にはならない。相続した土地にアパートを建設した山陽地方の事例では、相場3万8000円前後の場所に5万円の家賃が設定された。

実際の家賃が下がっても10年間は当初設定された額が支払われる契約のため、その間はいいが、サブリース会社は多額の持ち出しをすることになる。当然、11年目以降の家賃はその分も含め、ローン支払額を下回る大幅減額が要求されるだろう。同時に大規模修繕で数百万円の支払いを求められたら、破綻する可能性も。特にサラリーマンの場合、本業の収入まで投入せざるをえなくなり、事態は深刻だ。

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