「サブリースで大損した人」がハメられた手口 悪質なサブリース業者を見極めるには

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最大のリスクは賃貸併用住宅

最も熟慮を要するのは賃貸併用住宅だ。貸せる面積が減るうえ、建物におカネをかけてしまいがちで収支が合わなくなる可能性が高いのである。また、破綻時には住む場所がなくなってしまう。

「ローンが払えなくなり、所有物件をすべて売却し、元自分の物件にリースバックで家賃を払って住んでいる例がありますが、収入がゼロになったうえに家賃支払いが生じ、ギリギリの生活とか。売って借金が返済できればまだましですが、売れない、売っても莫大な借金が残るケースもあります。自己破産も聞きます」(前出・谷氏)

離れた親にはマメに連絡を

契約後でも解約可能なケースがある

相続対策は一刻も早くと考えがち。そのため、途中で疑問を抱いても確認せず、そのまま契約に至るケースが多い。が、可能な限り、契約前には親族や弁護士、国民生活センターなどの第三者に相談をするべきだ。

また、契約後に解除を考えても事業者に「解除不能」と言われて諦めたり、法律を知らないがために解除できないと思い込むケースがあるが、それは間違い。民法641条は、建築請負契約は仕事の完成前であれば損害の賠償を条件に注文者がいつでも解除できるとしている。

自宅に事業者が訪問し、そこで契約した場合には特定商取引法のクーリングオフの規定が適用される。契約書面にクーリングオフができる旨などの法定内容が記載されていた場合には書面交付から8日間、記載されていなければ正しい記載のある書面が交付された日から数えて8日経つまではクーリングオフが可能だ。ただし、事業者事務所での契約、自分から契約したいと告げて来訪してもらっての契約には適用されない。

最後にもうひとつ大事なのは離れて住んでいる親が自分の判断で契約、気がついたらアパートが建っていたという事態を防ぐこと。特に親が1人暮らしで時間を持て余している、寂しい思いをしている場合にはそこに甘言が付け込む余地がある。電話でいい。まめに会話し、見知らぬ人間に日参されていないか、気を配ろう。

中川 寛子 東京情報堂代表

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なかがわ ひろこ / Hiroko Nakagawa

住まいと街の解説者。(株)東京情報堂代表取締役。オールアバウト「住みやすい街選び(首都圏)」ガイド。30年以上不動産を中心にした編集業務に携わり、近年は地盤、行政サービスその他街の住み心地をテーマにした取材、原稿が多い。主な著書に『「この街」に住んではいけない!』(マガジンハウス)、『解決!空き家問題』(ちくま新書)など。日本地理学会、日本地形学連合、東京スリバチ学会各会員。

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