太陽電池育成は、天理工場建設以来のビジネスモデル転換だ--町田勝彦・シャープ会長兼CEO
液晶から太陽電池へ技術者が大移動
--具体的には、どこからどこまでを商売として……。
だから全部ですよ。
--全部?
そうです。たとえば、ある国の政府なり、電力会社がソーラー発電所を造る話があったとしましょうか。うちがそのプラント建設、メンテナンスを丸ごと請け負うわけですよ。発電所だけでなく、自国にソーラーパネルの工場も持ちたいというニーズも出てくるでしょう。そのときには、うちが製造装置や材料も供給しますよと。材料というのは、たとえば薄膜太陽電池に使うモノシランガス。これは専門のガス業者と合弁でやればいい。先方の意向次第では、その発電所や工場に出資して、運営にも参画したい。つまり、材料から製造装置、パネル、プラント、メンテナンス、実際の発電事業に至るまで全部やると。イメージしているのは、太陽光発電のトータルソリューション会社です。
もちろん、そういった商売をやるには、それなりの準備、体制づくりが必要になる。すでに人づくりは始めています。実は今、うちの社内では、液晶事業からソーラー事業へと技術者を大量に配転させて、メンテ要員やプラント技術者などのエンジニアを相当な規模で養成しているんです。堺の薄膜新工場の立ち上げも現場は大変でしょうが、その苦労や経験がうちの財産、ノウハウになる。そうやって育った技術者が今度はアブダビとかに行って、発電所のプラント造ったり、メンテをやると。