太陽電池育成は、天理工場建設以来のビジネスモデル転換だ--町田勝彦・シャープ会長兼CEO

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--バブルがはじけた後には、何が起きるのでしょう。

一言でいえば、淘汰ですよ。今、世界で太陽電池メーカーを名乗っている企業は二百数十社にも及ぶらしい。私は二つの点でその整理淘汰が短期間に進むと思う。一つは品質問題。新規に入ってきた企業が作った粗悪な太陽電池が出回り、すでに一部で問題になり始めている。そういう品質問題がこれからもっと顕在化して、信頼のないメーカーは相手にされなくなる。そしてもう一つは、やはりコストです。今はバブルだから、作りさえすれば高値で売れるが、これから先は他の産業と同様に必ずコストの競争に行き着く。要は、品質とコストで勝つのは誰かと。

産業発展史的に言えば、液晶はすでに「ダーウィンの海」を渡ったんです。多くの外敵がいる海の中で激しい生存競争を経て、環境に適応できた者だけが生き残った。じゃあ、太陽電池はどうかというと、今は固定価格買い取りなどの政府の補助に支えられている状態。(研究開発に莫大な投資が必要な時期である)「死の谷」は越えたが、まだ自立した産業にはなれていない。私に言わせれば、この業界はまだなんら本質的な競争が起きていない。「ダーウィンの海」の手前。ですから、今のシェアを騒いだところで、大した意味はないんです。早ければ2010年には、本当の競争が始まるでしょう。大事なのは、そのときに勝つのは誰なのかという話ですよ。

--シャープは液晶事業で海外メーカーとの熾烈な生存競争に勝ち残りました。この太陽電池でも勝ち残る自信はありますか。

もちろんです。その武器になるのが薄膜の新技術であり、堺で立ち上げる薄膜太陽電池の新工場。これからの主流になる薄膜太陽電池は製造装置が非常に大事で、その技術水準次第でコストや性能が大きく変わってくる。堺の新工場では長年を費やして開発した画期的な製造装置を持ち込み、今の結晶系太陽電池よりも大幅なコストダウンを実現する。

最近、半導体・液晶の大手装置メーカーが薄膜太陽電池の製造装置を売り始め、そこに多くの海外企業が飛びついている。しかし、うちが独自に開発した製造装置は、そうした市販のモノよりもはるかに勝っている自信があります。もちろん、装置メーカーも経験を積んでレベルを上げてくるだろうが、そのときには、こちらはもっと先を行く。

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