動揺するアジア新興国通貨 韓国ウォンと台湾ドルは底堅い

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良好なファンダメンタルズ

東部証券(ソウル)の通貨・債券アナリスト、ユナ・パク氏は「アジア通貨のファンダメンタルズは全て悪いように見えるが、ましな通貨を選ぶとすれば、いくらかの資金流入に支えられているウォンと台湾ドルだろう」と語る。

イーストスプリング・インベストメンツの投資ディレクター、ニコラス・フェレス氏も「韓国ウォンは依然として安い」と指摘する。

一部ファンドマネジャーは、韓国経済や同国株式市場の先行きを楽観視している。

JPモルガン・アセット・マネジメントのグローバル・マーケット・ストラテジスト、ジェフ・ルイス氏は、韓国の第2・四半期国内総生産(GDP)が約2年ぶりの高い伸びとなったことに触れ、「最新のGDPデータは、景気が安定化していることを示唆している」と指摘。ソウル株もその他のアジア新興国株式市場に比べ割安に見える、と述べた。

トムソン・ロイターのデータによると、韓国株の予想株価収益率(PER)は9.4倍となっている。

地政学的リスクや、一部大財閥のコーポレートガバナンス(企業統治)をめぐる懸念から、韓国株はディスカウントされた水準で取引されることが常だが、イーストスプリングのフェレス氏は売られ過ぎだと指摘する。

同氏は、世界的に見て、PERが10倍を下回れば割安な市場だとの認識を示した。

( Jongwoo Cheon記者 執筆協力 Viparat Jantraprapaweth, Orathai Sriring in BANGKOK, Choonsik Yoo, Vincent Lee in SEOUL and Lin Miao-jung in TAIPEI;翻訳 川上健一;編集 吉瀬邦彦)

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