LCCの「ビジネスクラス6万円」は使えるか ベッドで寝そべって移動するなら高くない?

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ということで、バリ往復の次は、こうした一般的なキャンペーンでも試してみようと、20%OFFキャンペーンを実施しているときに「羽田―シンガポール」の往復(クアラルンプールで1度乗り換えあり)をどちらも、前出のプレミアムフルフラットで予約してみました。今度は諸費用込みの往復の運賃は約12万円、夫婦で約24万円でした。

エアアジアで出た食事。一般的なエコノミークラスと同等のものだった(筆者撮影)

航空券は同じ便すら検索するタイミングで金額が変わりますし、搭乗時間や選ぶ日程、往復か片道かでも、もちろん値段が異なります。

まったく同じ比較は難しいのですが、シンガポールの往復便を予約した同じ日に、レガシーキャリアであるシンガポール航空のビジネスクラス(直行便)で同日に移動するならいくらかを確認すると、1人片道で約23万円(往復では46万円)でした。

もし、夫婦で往復となると約92万円かかります。LCCと比較すると約68万円の差が生まれることになります。

「乗り換えあり」と「直行便」、食事やサービス、さらには予約の変更の可否などの違いもあるため、もちろん単純に比較はできません。しかし金額だけをみると、片道6万円ほどでシンガポールまで体を伸ばして移動ができることは魅力的です。

サイトのわかりにくさやサポートセンター対応は要改善

ただし、エアアジアXでシンガポール往復の航空券を予約する際は、サイトの使い勝手がかなり悪く、実際に不快な思いもしました。もともと同社のWebサイトは決済の途中で「固まる」ことがあったり、PCではログインできるけれどアプリではログインできない(その逆も)などもあり、わかりにくさに加えて不安定さもあるともいわれます。予約時点でストレスを感じる人も多いようです。

シンガポール往復の場合は、プレミアムフルフラットシートを選択すると食事が1区間に1食(乗り換えにより2区間になるため、片道2食)が無料で付いてくるという内容でしたが、画面では1区間で2食が選択できるようになっていました。無料ではあるものの、1食でも十分なところ、2食選んで予約してしまっていたのですが、当時の画面ハードコピーで料金明細をみると、食事には追加料金はかかっておらずほっとしました。

しかし、後日、Webチェックインをするためにログインすると、なぜか内訳では食事については有料の明細になっていました。LCCでは基本的にキャンセルができず、食事についても追加注文したものをキャンセルすることはできません。

画面の表記や明細の内容が変わっていたため、サポートセンターにも問い合わせましたが、食事を減らすことはできませんでした。しかもサポートセンターに質問を送ったあとも、食事分としてさらに2580円が上乗せされる画面表記が出るなど、ユーザーが変更をしていないのに、内訳だけがいろいろと変わるなど不可解な「表示」もありました。ちなみに余分な食事は290円+500円が4セットなので合計3160円。何の数字とも合わず、本当に画面の動作は奇妙です……。

このように、予約画面のわかりにくさや不安定さ、サポートセンターの対応には疑問が残りますが、Web画面を注意深く確認しながら手続きを進め、上手に利用すれば、「ビジネスクラス」でも、移動のコストを大幅にカットできる可能性がある選択肢といえます。

読者の皆さんの中には、「LCCは狭い」「長距離は考えられない」という印象があるかもしれません。しかし、あえてLCCにしてビジネスクラスのシートを利用することも選択肢に含めると、より自分好みの移動手段を見つけられるかもしれません。

風呂内 亜矢 ファイナンシャルプランナー

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ふろうち あや / Aya Furouchi

1級ファイナンシャル・プランニング技能士(国家資格)CFP®認定者、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー。大手電機メーカー系Slerに勤めていた26歳のとき、貯金80万円で自宅用としてマンションを衝動買い。それをきっかけにおカネの勉強を始める。現在は自宅を含め夫婦で4つの物件を保有。2013年、FPとして独立。現在はテレビ、ラジオ、雑誌、新聞などで「お金に関する情報」を精力的に発信。著書に『その節約はキケンです—お金が貯まる人はなぜ家計簿をつけないのか—』(祥伝社)、『デキる女は「抜け目」ない』(あさ出版)、『ほったらかしでもなぜか貯まる!』(主婦の友社)などがある。筆者サイト

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