20〜30代が50代よりもおカネを貯める方法 「世代間格差」や「インフレ」に負けるな
比較すれば一目瞭然だが、年代が上がるほど金融資産保有額は増える。20代は所得が少ないし、30~40代は子どもの教育費をはじめ、その他生活に必要なコスト負担がかさむので、おカネの入りよりも出のほうが多くなりがちで、なかなか貯蓄を増やしにくい。
インフレが進めば、これからの実質所得はますます減る
では、今の20代、30代が50代、60代になったとき、従来のような預貯金を中心とした資産形成で、満足のいく老後の資産形成ができるかというと、それは間違いなく無理だろう。
思い切って若い人たちに権限を移譲すれば、給与が上がり、状況は変わるかもしれない。だが、今の50代、60代がそう簡単に、自分たちが握っている既得権益を手放すとは思えない。これは大企業の50代管理職を見ればわかるが、彼らの大多数は、基本的にチャレンジをせず、現状維持を望み、ぬるま湯につかったまま、定年を迎えたいと思っている。
しかも、多くの企業が成果報酬を導入しているといわれるが、大企業の中にはなおも年功序列が生きているところも少なくない。結果、50代は働きに見合わない過分な高収入を得続け、日本企業が築いてきた「20世紀の偉大な遺産」が食い潰されていく。そして、そのシワ寄せが今の20代、30代に及ぶ。
したがって20代、30代が50代になったとき、今の50代が得ているのと同じ収入が得られるかというと、それはほぼ不可能であり、若い世代ほど資産形成が思うように進まなくなるおそれがある。世代間の不均衡は一段と広まるだろう。
加えて、これからは確実にインフレが進む。日本の巨額な財政赤字問題を解決するためには、インフレを高進させ、実質的な借金負担を軽減させるしかないからだ。この20年間のごとく、経済成長できぬままインフレが進めば、実質的な所得はさらに目減りするため、ますます資産形成が困難になる。
ということで、20代、30代の人たちにとっては夢も希望もない未来のようにも思えるが、「あること」をすれば、この状況から脱することができる。つまり、収入が実質的に減ったとしても、今の50代に20世紀の遺産を食い潰されたとしても、未来が切り開ける方法だ。
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