20〜30代が50代よりもおカネを貯める方法 「世代間格差」や「インフレ」に負けるな

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このように言うと、「そもそも投資の仕方がわからない。いったい、何に投資すればいいのか」という質問が飛んでくると思う。「投資」というと、何かとても難しいことのようにとらえている人は多いと思うが、決してそんなことはない。むしろ20代、30代だからこそ大いなるチャンスがある方法をお教えしよう。

日本株はあくまで脇役として投資する

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まず、日本株などの国内資産は脇役だと考えよう。投資には「ホーム・カントリー・バイアス」といって、どうしても自国の株式を中心にポートフォリオを組む傾向が見られるが、日本の未来を想像すると、そんなに経済が成長するとは思えない。なんだかんだ言っても、株価はその国のGDP成長率に連動するので、経済が成長しない国の株価は上昇しないと考えるべきだ。

一方、視点を海外に向ければ、世界経済はまだまだ成長の余地がある。インドやASEAN諸国など、これから成長していく国はたくさんあるし、あの米国でさえ経済は成長を続けている。何より、これから世界人口が100億人に向けて増えていくことを考えれば、世界経済は成長すると考えるのが理にかなっている。つまり、投資をする際には、世界中にバランスよく分散投資する方法を考えるのがよい。

こうして自分の投資戦略を固めたら、ひとつ神様にお願いごとをしよう。それは、「50代以上の現金を貯め込んでいる人たちが、このままずっと投資をせず、現金・預金に資産の大半を置いておくように」ということだ。

なぜなら、インフレが進む過程においては、現金と預金は確実に資産価値が目減りしていくからだ。インフレとは、言い換えれば、おカネを貸している人から借りている人への富の移転でもある。国はおそらくインフレを加速させ、財政再建を進めようとするだろう。そのとき、いちばん割を食うのが、資産の大半を現金、預金で持っている人たちなのだ。逆に、現金・預金で資産を保有し続けてくれる人がいないと、財政再建は進まないことになる。

20代、30代が世界中に分散投資をする一方、50代以上の現金・預金をたくさん持っている人がこのまま動かずにいてくれれば、あと10年もしたら世代間格差は縮小するだろう。国は今、iDeCo(個人型確定拠出年金)や、NISA(少額投資非課税制度)、さらには来年から始まるつみたてNISAなど、投資の非課税制度を充実させているので、これを活用すれば、さらに効率的な資産形成が可能になる。世代間格差を嘆く前に、まずは行動を起こしてみてはどうだろうか。

鈴木 雅光 JOYnt 代表、金融ジャーナリスト

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すずき・まさみつ / Masamitsu Suzuki

1989年岡三証券入社後、公社債新聞社に転じ、投信業界を中心に取材。2004年独立。出版プロデュースやコンテンツ制作に関わる。著書に『投資信託の不都合な真実』、『「金利」がわかると経済の動きが読めてくる!』等。

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