「47歳恋愛経験ゼロ」男が最後に射止めた相手 「私のことは遊びですか?」と激怒されたが…

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「学生時代は、女の子とほとんど口を聞いたことがありませんでした。高校は男子校だったし、大学には女性がいたけれど、ふたりだけで出掛けたり、食事に行ったりしたことがありません」

「好きになった人はいなかったの?」

「大学時代弓道部に入っていて、そこに好きな女性はいました。でも、気持ちを伝えられないまま卒業しました」

就職をしてからは、とにかく仕事が忙しく、恋愛どころではなくなった。そして、29歳のときにタイに海外赴任することになった。

「その前に誰か女性とお付き合いをして、できれば結婚して赴任したいと思いました。だけど、そんなに都合よく相手が見つかるはずもなくて。僕は海外の女性と結婚する気はなかったので、赴任していた6年間は恋愛からさらに遠ざかっていきました」

国際結婚を考えられなかったのは、異文化で育ったタイの女性が日本に嫁いでも幸せになれるとは思わなかったからだ。

帰国したときには、35歳になっていた。その後も家と会社を往復する毎日。あるとき、息子の結婚を心配した母親が結婚相談所の資料を取り寄せ、そこへの入会を勧めた。

「それで38歳から41歳くらいまで、生まれて初めての婚活をしました。ただ、そこではなかなかお見合いが組めなかった。毎月年頃が合う決まった数のお相手が送られてきて、会いたい人にお申し込みをかけるという形式だったのですが、申し込める数が少ない。申し込んでも受けてもえる確率が低くて、お会いできるまでのハードルが高かった。やっとお見合いができても、断ったり断られたりで、4年間活動を続けたけれど、まったく結果が見えませんでした」

手応えもないままに、そこは退会した。

食事のあとは何をしたら? 他力本願だった

「ただ、あのときの僕だと、どんな女性と出会ってもうまくいかなかったと思います。恋愛経験がないから、何をどうしていいかわからない。映画やオペラに行って、そのあと食事をする。その次に何をしたらいいのか迷う。進みたいけど自分ではやり方がわからないから、“相手が何かしてくれないかなあ”みたいな、いつも他力本願でした」

相談所を退会したあとは婚活からしばらく遠ざかっていたのだが、あるとき章雄に転機が訪れた。

「そのとき会社の人間関係に悩んでいて、仕事もうまくいっていなかった。そこで上司や部下の人間関係を改善するコミュニケーションセミナーに行ってみることにしたんです」

そこの講師がとても面倒見のいい信頼できる女性だった。2年間くらい通ったという。

「そのセミナーで学んだのは、“どんな自分も認めてあげる”ということでした。疲れている自分には、ねぎらいの言葉をかける。どんなに小さなことでもできたら、自分で自分を褒める。つまり自己否定をせずに自己承認力を上げる。あの2年間で、ずいぶんと自分が変わりました」

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