トヨタが新型「カムリ」で目指す、セダン復権  安心な車から、ワクワクドキドキする車へ

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 7月10日、トヨタ自動車は、約6年ぶりに全面改良した主力セダン「カムリ」を国内で発売した。日米などの主力市場でセダンはスポーツ用多目的車(SUV)に需要を奪われている。写真はデトロイトのオートショーで1月撮影(2017年 ロイター/Mark Blinch)

[東京 10日 ロイター] - トヨタ自動車<7203.T>は10日、約6年ぶりに全面改良した主力セダン「カムリ」を国内で発売した。日米など主力市場でセダンはスポーツ用多目的車(SUV)に需要を奪われている。吉田守孝専務役員は「セダンは正直、成長市場とは言えない」のが現状だが、今回の新型カムリで「セダンの復権を目指す」と強調した。

カムリの国内販売は、現行車を発売した翌年2012年がピークで年約1万9000台だったが、昨年は約4900台まで落ち込んだ。新型車はこれまでのカローラ店に加え、トヨペット店、ネッツ店の3チャネルで併売し、販売は月2400台、年約3万台を計画する。現行車のユーザーは60代以上が中心だが、新型車では50代以上に下げ、より幅広い世代の取り込みを図る。

新しい設計思想「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)」を採用、プラットフォーム(車台)やパワートレインなどをすべて一新し、低重心を実現した。吉田専務は、新型カムリは「背が低くてかっこよく、走りも非常に良いというポテンシャルを持っている」と指摘、「セダンの人気が高かった1980年代に車を楽しんできた世代や若い人にも受け入れられる」と述べた。

日本ではHV、米国ではHVとガソリン車も

国内では直列4気筒2.5リッターのエンジンがベースのハイブリッド車のみで、価格は329万4000円から。燃費は1リットル当たり33.4キロ。衝突回避支援パッケージ「セーフティ・センスP」を全車に標準装備。また、後退時の死角に左右後方から接近して来る車両を検知して自動的にブレーキを制御する機能「リヤ・クロス・トラフィック・オートブレーキ」をトヨタブランドとして初採用した。

米国では今夏後半に発売予定で、ハイブリッド車のほか、直列4気筒2.5リッター、V型6気筒3.5リッターのガソリンエンジン車も用意する。開発責任者の勝又正人氏は、カムリはなくてはならない安心の車という意味から「北米を中心に『食パン』と言われてきた。ただ良い車だが、ワクワクドキドキしない。このままではいけない」との思いで開発したといい、販売は現行車と同水準の「月3万台超え」を狙うと語った。

カムリは1980年に国内専用モデル「セリカ カムリ」として誕生、1982年には現在の車名「カムリ」として一新し世界販売を始めた。米国では乗用車市場で15年連続1位を獲得する主力車種。現在は100以上の国・地域で販売され、昨年末までに累計1800万台超を売り上げている。

(白木真紀)

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