出口見えない「異次元緩和」に潜む恐怖の未来 景気悪化や超円安、超インフレもありえる
その結果、最終的に迎える段階は日本国債のデフォルトだ。ちなみに、2000年以降にデフォルト(リスケジューリングを含む)を起こした国家には、コートジボワール、ナイジェリア、インドネシア、ドミニカ共和国、パラグアイ、ウルグアイ、ベネズエラなどがある(『国家は破綻する』カーメン・M・ラインハート、ケネス・S・ロゴフ著、日経BP社刊より)。
日本の場合、かつてロシアが実施したような典型的なデフォルトは起こらないかもしれないが、それでも不安は残る。日銀が保有する資産(国債)で損失を出さないようにするための方法としては「永久劣後債」や「永久国債」にしてしまう、といった抜け道を提案するエコノミストも数多い。
いずれにしても、オーソドックスな方法では、もはや日銀は異次元の量的緩和から脱出できない。むしろ、「流動性の罠(利子率が一定水準に下がると金融政策が効かなくなる現象)」から脱出できなかった現実を踏まえて、その現実に立ち向かうときが来ていることを認識すべきだろう。
安倍政権崩壊後の政権が地獄を見る?
安倍首相の支持率低下とともに、自民党が再び下野する可能性が出てきた。7月2日の都議会選挙で自民党は歴史的な大敗をきしたが、安倍政権の崩壊もありえる。アベノミクスは終焉の時を迎えているのかもしれない。
しかし、ここにはとんでもないリスクが潜んでいる。
安倍自民党が執った財政・金融政策がもたらすツケを、次期政権が背負うこともありえる。アベノミクスを中止し、拙速に中央銀行の異次元緩和を中止、あるいは安易にバランスシートの縮小を目指したりすると、日本経済は高金利、超円安、超インフレが一度にやってくる可能性がある。国民に想像を絶する困難をもたらすかもしれない。
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