米国株は、今後一段と上昇する マネックス証券チーフ・ストラテジスト広木隆氏に聞く(上)

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もっと言えば、FRBは量的金融緩和を完全に止めると言っているわけではありません。量的緩和のペースを緩めると言っているのです。FRBの金融政策が劇的に変化するというわけではないので、マーケットに対してそれほどネガティブな影響は及ばないと見ています。

――米国景気は、これからさらに良くなるということですか。

そうです。今、FRBが最も注目しているのは雇用環境です。非農業部門の雇用者数の増減を見ると、7月の数字は前月比で16.2万人の増加ということで、前月の19.5万人から見ればややペースダウンという感は否めませんでした。しかし、それでも4月以降、10万人台後半で推移しています。なので、7月の落ち込みについては、それほど悲観的に見る必要はないと思います。

また住宅市場も、バブル崩壊の痛手からようやく立ち直ってきました。住宅市場が回復すると、非常に大きな経済効果が期待できます。住宅が売れるだけでなく、家具をはじめとする家財道具も売れるからです。つまり個人消費が改善していきます。

雇用環境が改善し、個人消費が回復して住宅投資が活発に行われるようになり、それがさらなる個人消費につながる。経済が正常化へと向かっていけば、米国経済は着実に良くなります。まさに今は、「米国経済が良くなることの始まり」と考えて良いでしょう。

――株価のさらなる上昇も期待できるということですか。

その通りです。米国の株価はこれからジリジリと堅調な上昇トレンドが続くと思います。NYダウは2009年3月に、リーマンショック後の最安値を付けました。この時が6547ドルです。その後、何度か調整する場面はありましたが、長い目で見れば今日に至るまで、ほぼ右肩上がりの上昇が続き、8月2日に過去最高値をつけたというわけです。

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