JR名古屋駅の「進化」は東京・大阪駅を超えた 駅に超高層ビルが3棟、百貨店は絶好調

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注目したいのが、高島屋の入店客数の推移である。こちらは倍増どころか開業以来ほとんど横ばいなのだ。つまり、売り上げ増の理由は1人当たり購入額が上昇したからということになる。

JR東海は「積極的に売り場の改装や催事を行うことで、新鮮味を保ち、話題づくりにも力を入れている」と説明している。一例が、「売り上げ日本一」と称されるバレンタイン商戦だ。ここでしか買えない限定商品がずらりと並び、多くの買い物客が開店前から列を作る。今や冬の風物詩だ。こうした施策を矢継ぎ早に行うことが、1人当たり購入額の増加につながっているといえる。

高島屋のショッピングモールが入居するゲートタワーには、「名古屋JRゲートタワーホテル」も4月に開業した。名古屋駅直結のホテルとしては、高級タイプの「名古屋マリオットアソシアホテル」がすでに開業しているが、今般開業したホテルはより手頃な価格に設定されている。ビジネスパーソンの出張にも使えるし、ファミリー向けの部屋もある。

JRゲートタワーホテルには「トレインビュー」の部屋がある(記者撮影)

駅側の部屋を希望すれば、窓から名古屋駅のホームを見下ろすことができる。現在は深夜の時間帯に名古屋駅でリニア中央新幹線の工事が行われているので、運がよければその様子をホテルから見ることもできる。

オフィス、百貨店、ショッピングモール、そして2つのホテル。駅をここまで大規模に改造したのはJR各社の中ではJR東海くらいだ。JR東海はほかのJRと比べて不動産開発の可能な土地が少ない。その中で名古屋駅は数少ない金の卵を生むガチョウだった。他社以上に開発に力を入れたのは必然だったかもしれない。

名古屋駅はギネス「世界一」に

名古屋駅の向かい側には、「大名古屋ビルヂング」という2015年竣工の高層ビルが立っている。名前に“大”がついているのが不思議だが、同ビルのHPには、同じ名前の旧ビルが1965年に竣工した際に、「躍動を続ける大名古屋市」にちなんで命名されたとの説明がある。名古屋をさらに大きく発展させたいという先人たちの思いが込められているのだろう。

名古屋市の人口は231万人。横浜市に抜かれ、日本の都市では4番目になってしまった。人口196万人で現在も北海道全域からの移住が続く札幌市が背後に迫る。

名古屋は市の規模では東京や大阪に見劣りするが、名古屋駅は、旧駅の”東洋一“どころか、2002年には「世界最大の駅ビル」としてギネスブックに認定され、世界レベルの駅になった(現在は抹消)。2027年には隣りにある名古屋鉄道の名古屋駅も全長400メートルという壁のような巨大な駅ビルに生まれ変わる。

東京駅や大阪駅を凌駕する名古屋駅の威容は、先人が夢見た「大ナゴヤ」を具現化したものともいえるかもしれない。

大坂 直樹 東洋経済 記者

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おおさか なおき / Naoki Osaka

1963年函館生まれ埼玉育ち。早稲田大学政治経済学部政治学科卒。生命保険会社の国際部やブリュッセル駐在の後、2000年東洋経済新報社入社。週刊東洋経済副編集長、会社四季報副編集長を経て東洋経済オンライン「鉄道最前線」を立ち上げる。製造業から小売業まで幅広い取材経験を基に現在は鉄道業界の記事を積極的に執筆。JR全線完乗。日本証券アナリスト協会検定会員。国際公認投資アナリスト。東京五輪・パラにボランティア参加。プレスチームの一員として国内外の報道対応に奔走したのは貴重な経験。

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