「PDCA」より仕事を速く進める"逆転の思考" たったひとつのコツで大きな差がつく

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それでは具体的に、仕事の場でうまくCAPDを回すにはどうしたらいいでしょうか。

「自分」「結果が出ている人」「出ていない人」を比べて評価

私が最初に行ったのは、効率的に仕事ができている人を評価することでした。たとえば、自分の周囲に際立って仕事ができるX先輩がいるとします。旧来のPDCAであれば、「X先輩を目指そう」と計画を立てることから始まります。しかし、CAPDだと、「X先輩は誰よりも速く仕事を終えているのに、いつも結果を出しているのはなぜだろうか?」と、評価するところから始まるのです。

この場合は、ズバリ本人に聞いてもいいでしょう。

「仕事が速いのに、そのような結果を出せている秘訣はなんでしょうか?」

「私は営業に苦手意識がありまして、改善するのはどうしたらいいと思いますか?」

このように、どんどん具体的なポイントを挙げてもらうのです。その結果、

「俺の場合はこうしているけど……」

「きみの課題はスケジュール管理にあると思う」

といった評価が見えてくれば、すぐに取り込んで改善ができます。直接、聞くことができなくても、X先輩の行動と自分の行動を比較して、評価することもできるでしょう。

一方で、結果が出ていない人を評価することも大切です。同僚のY君はまじめに頑張っているように見えるのに仕事が遅く、結果も出ないが、X先輩とはどこが違うのか、観察し、評価するのです。たとえば、あるプロジェクトで、X先輩は「走りながら考えよう」という思考だったために、途中でトラブルがあってもフォローができた。しかし、Y君は「すべてを完璧にしないと進めない」という思考だったために、納期に間に合わなかった。そのように違いがわかれば、「走りながら考える」を取り入れてみよう、などと考えることができます。

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自分だけでなく、周囲の第三者も評価したほうがいいのにはほかの理由もあります。自分自身の弱点というのは、評価する際の物差しがないと、意外と漠然としたものになってしまうためです。周りを見て比較し、「評価を見極める」ことが必要です。

近年はインターネットの普及により、誰もが同じような情報を得て、同じような計画を作ることができます。ありきたりの計画から始めるのでは、他人より速く、質の高い仕事をするのは難しいのではないかと思います。必要なのは、最初に行う評価・検証の精度なのです。

金川 顕教 Social River代表取締役

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かながわ あきのり / Akinori Kanagawa

三重県生まれ。立命館大学産業社会学部卒業。大学在学中、公認会計士試験に合格し、会計事務所デロイトトウシュトーマツグループである有限責任監査法人トーマツに就職。外資系企業にて成果を出しつつ、自らの起業準備をするため、あらゆる仕事の効率化を追求。起業後もその効率化メソッドを使い、事務所なし、従業員なしで年間億単位の売上を創出する一方、最小の時間と労力で最大限の成果を出すための効率化について、独自の研究を重ね体系化している。著書に『チェンジ 人生のピンチは考え方を変えればチャンスになる!』『財布はいますぐ捨てなさい』(共にサンライズパブリッシング)などがある。

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