就活もマーケティングの範疇に入るのか コトラーが発明した「交換」、自分と社会との関わりを作り出す方法

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意外と知られていないコトラーの業績

実は、ドラッカーの『非営利組織の経営』には、コトラーとの歴史的ともいえる対談記録が収録されている。マーケティングとは何かと尋ねるドラッカーに対し、コトラーは、顧客の期待に応えながら需要を作り出していくことだと答えている。

コトラーのマーケティング3.0』(2010年、朝日新聞出版社)

コトラーは、今もノースウェスタン大学、ケロッグ経営大学院の教授である。その研究は多岐にわたる。最近では、少し前に出版された『マーケティング3.0』が話題になった。

タイトルから想像されるとおり、インターネットやソーシャルメディアを念頭に置き、企業と顧客が同じ社会の一員として価値創造を目指すためのモデルが提案された。共著ではあるが、ここでも年齢を感じさせない最先端の事例や論理が展開されている。

最新刊『コトラー8つの成長戦略』も日本語に訳されている。ここに展開されているのは、より王道のマーケティング論で、今回コンファレンスの中心テーマにもなった。

多くの先進国が直面している低成長の時代を前提にして、その中で持続的に成長するためになすべき方法が提示される。今の日本にとって、これは重要な課題だろう。

こうした近年の著作も興味深いのだが、コトラーの業績として特に評価されているのは、大きく二つの研究活動である。

一つ目は、マーケティング・マネジメントの体系化と普及だ。特に『マーケティング・マネジメント』というテキストの編纂が知られている。初版は1967年だが、時代を経るごとに改訂され、最新第14版にもなる。日本では、現在第12版までが翻訳されている。

この改訂版を見比べていくと、2000年くらいを境にして印象が変わる。ある意味、マーケティングの考え方が変わってきたことを体現しているのかもしれない。

当初は、セグメントやポジションを考えたうえで、プロモーションや流通政策、価格設定を個別に検討する流れだった。近年は、ブランド構築を軸にしながら、顧客との長期的な関係構築が重視されている。

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