なぜ「リボ払い専用カード」が増えているのか ポイント還元に踊らされ、思わぬ落とし穴も

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もはや普及は頭打ち。カード会社はリボ払いに新たな収益源を見いだしている(撮影:今井康一)

都内に住む40代の男性は「危うく年率18%もの手数料を払うところだった」と振り返る。

男性は4月に大手小売りチェーンでクレジットカードを作り、約4万円のスーツを購入した。「支払いは一回でお願いします」。そう言ってカードで支払いを済ませた。

5月に来た請求書を何げなく眺めると「翌月のお支払額3000円」とある。翌日、カード会社に連絡すると、男性が作ったのは「リボルビング払い専用カード」だと判明した。

男性は店頭でカードを申し込み、書類に必要事項を記載して郵送した。が、「申し込みの際にリボ払いにするかどうかを確認する項目はなかった」。男性はカード会社に連絡し、一回払いに変更した。

今や重要な収益源に

こうしたクレジットカードのショッピングで、リボ払いに関する相談が増えている。

国民生活センターに寄せられるリボ払いの相談件数は、2006年度の197件から2016年度には800件超に増えた。業界関係者によれば、冒頭の男性のように請求時に初めて知り、対応に苦慮するケースが増えているという。

買い物代金を支払回数で割った金額を毎月支払う分割払いに対し、リボ払いは代金を毎月一定額支払う返済方法だ。1回当たりの返済額を抑えられるメリットがある反面、年率15%程度の手数料がかかったり、使い過ぎることで借入残高が増えるリスクもある。

信販・カードなどのクレジット業界では、2006年の貸金業法施行でいわゆるグレーゾーン金利が廃止され、個人向けの小口融資であるキャッシング収益が激減した。このため新たな収入源として、高率の手数料が見込めるリボ払いに注力している。

クレディセゾンの2016年度におけるショッピングリボ残高は、3808億円(前期比12.4%増)。すでにキャッシング残高(2140億円)を大きく上回る。

ファミマTカードを扱うポケットカードも、2016年度のショッピングリボ残高は1357億円と好調だ。楽天カードは同年度のリボ手数料が516億円と、カードショッピング収益の58%を占めた。このようにリボ払いはカード会社の稼ぎ頭になっている。

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