「妥協してまで結婚はしない」と言う人の盲点 30後半からは自分の「市場価値」の現実を見よ

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「会社のイベント企画で、家族の絆をテーマにした写真をお客さんから公募したんです。送られてきた写真を選別しているうちに、“家族っていいな”と思った。写真に写っている子どもたちの笑顔がかわいかったし、その子どもたちを見つめるお父さん、お母さんの視線もやさしくて、『ああ、自分も家族が欲しいな』と強く思いました」

できることならここ半年くらいの間に相手を見つけて、1年以内には結婚をしたいという。良雄は髪こそ薄くなりかけているが、見た目も年収も悪くない。お見合いを続けていくうちに、そんなに苦労することなくお相手に出会えるだろう。

46歳の良雄「結婚するなら、譲歩しても31歳まで」

私は、良雄に言った。「まずはどんどんお申し込みをかけて、お見合いしていきましょうか。お子さんが欲しいなら、狙い目はアラフォーの女性かしらね」。

すると、この言葉を制するように、良雄が言った。

「いや、結婚するなら20代がいいんです」

「20代? 良雄さんは、今46歳だから20代の女性とお見合いするのは、100パーセント無理とは言わないけれど、かなり厳しいですよ」

「20代なら、バツがあって子どもがいてもいい。そして、自分の子どもも生んでほしい。そこは譲れない条件です」

「どうして20代にこだわるの?」

「どうしても子どもが欲しいから。譲歩しても31歳くらいまでがいい」

私は、無茶な年齢差を望む男性には、いつもこんな説明をしている。良雄にも言った。

「年齢って不思議なものでね。下を見るとその年齢差を短く感じるの。だけど上を見上げるととても遠くに感じる。良雄さんは、『どんなに譲歩しても31歳までの女性がいい』と言っているけれど、そこには15歳の年齢差があるでしょう? 46歳に15歳を足してみて。61歳よ。すごく年上に感じない? あなたは今、その年齢差の婚活をしようとしているのよ」 

私の言葉に少しムッとしたような表情で、良雄はこう続けた。

「でも、どうしても31までがいいんです。もし子どもができなかったら、結婚する意味がない」

「30代後半の女性でも子どもはできますよ。今は晩婚化が進んでいるから40を越えてから出産している女性もいるし」

私事で恐縮だが、私も36の晩婚で、40歳の時に双子の女の子を出産した。その話も良雄にした。それでも、頑として譲らなかった。

「僕は31までがいいんです。女性の年齢が上がると、出産のリスクも増えるじゃないですか」

もちろん、それはそのとおりだ。“31歳まで”と女性の年齢を区切った良雄は極端な例だが、“出産のリスク”を理由に挙げて、30代でもできるだけ歳の若い女性と結婚したがる男性は多い。

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