ハーレー、日本で最も売れる「アメ車」の魅力 乗りやすさの追求や先進技術にも抜かりなし

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ビッグツインの「ロードキングスペシャル」

同じVツインでも車種によりキャラクターは異なる。フォーティーエイトはかなり直接的な振動がつねに体に伝わり、Vツインに跨(またが)っている実感が直に伝わってくる。ロードキングスペシャルは対照的に振動がほとんど伝わらず、回転は滑らか、音はまろやかだ。

スポーツスターはもともと、第2次世界大戦直後に米国に多く輸入された英国製モーターサイクルの対抗馬として開発された機種で、その名のとおり、スポーツ性を高めている。対するツーリングは快適に長距離を移動できることを主眼に置いている。これが乗り味の違いを生み出している。

ツーリングのオーナーが中高齢の男性中心なのに対し、スポーツスターは女性ライダーもしばしば見掛ける。以前ある方に聞いたところ、シートが低いので安心して乗れるし、飛ばさなくてもカッコよく見えるところが気に入っているという言葉が返ってきた。

国産や欧州のモーターサイクルは、パワーとスピードを極限まで追求したスーパースポーツが頂点であり、最もカッコよいと考える人が多い。ただ極端な前傾姿勢でシートは高く、かなりハイスピードでないと魅力が味わえない。正直言って乗り手を選ぶ。

日本のユーザーに受け入れられている理由

9代目「ミルウォーキーエイト」

スポーツスターはそれとは異なる価値観でカッコよさを実現している。これが女性を含め日本の多くのユーザーに受け入れられている理由だと筆者は考えている。その影響は日欧のブランドにも波及しており、クラシックなデザインをまとい日常的なシーンで楽しめる車種が増えつつある。

意外に思えるかもしれないが、最近のハーレーは乗りやすさの追求も抜かりない。昔と同じに見えるVツインは絶え間なく進化をしており、たとえばツーリングファミリーの上位に積まれる「ミルウォーキーエイト」は実に9代目になる。一部は空水冷併用とすることで安定した走りを実現している。

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