一方のリップルは日本勢主導で買われているとみられる。リップルは決済・送金ネットワークの「リップル」内で使われる。開発を行うリップルラボ社がSBIホールディングスと提携しているほか、3月末には三菱東京UFJ銀行がリップルの技術を用いた海外送金サービスを始めることがニュースでも取り上げられた。
その結果、従来は仮想通貨に興味のなかった日本の個人投資家層も市場に流入してきたと考えられる。4月1日に仮想通貨の関連法制が整い、報道で取り上げられたことも認知を広げた。また仮想通貨の価格上昇を受けて、関連事業を手掛ける企業の株価が上がり、株式投資家の関心も高まった。
「根拠なき熱狂」が冷や水を浴びるのはいつか
廣末氏によると、仮想通貨の購入者層は大きく三つに分けられるという。それは、(1)仮想通貨のコンセプトや技術を評価し、購入したら安易に売らない人たち、(2)技術などを評価しているが、売買することも好きな人たち、(3)技術などには関心がなく、売買にのみ興味を持つ人たち──だ。
推測になるが、今回動いた層はライトコインだと(1)や(2)、ビットコインやリップルなどでは(3)が中心になっているといえそうだ。この層の広がりは、2000年前後のITバブルを彷彿とさせる。
だとすると気になるのは、「この上昇はバブルか否か」ということだろう。この問いに対する本間氏の見解は、「根拠なき熱狂であり、バブルははじけるしかない」と明快だ。
時価総額で11位に急上昇したのが、イーサリアムの仕組みを使ってスーパーコンピュータを実現させようという「ゴーレム」で使われる仮想通貨だ。これなどはベンチャー企業のプロジェクトそのものだろう。実現可能性があいまいなプロジェクトでも、仮想通貨という流行に乗じて数百億円単位の資金集めが可能になっている。
バブルがはじけるきっかけの多くは、市場が自ら調整するか、当局の規制が入るかだ。
仮想通貨を使った資金集めについては、米国証券取引委員会が監視を強めると予想されている。バブル崩壊は規制がきっかけになるかもしれない。
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