スマホを使った禁煙治療に期待が掛かるワケ

治療継続率向上を目指す新サービスが登場

禁煙外来を手掛ける医師の間では、「治療を最後まで受ける患者は約4割」が定説。さらに、治療を終えた人のうち1年後も禁煙を続けているのはわずか3割弱という学会報告もある。そうなると、禁煙に成功するのは年間で喫煙人口の2%にしかならない計算だ。

こういった状況を打破しようと、新しい禁煙治療を提案するベンチャー企業が現れた。

スマホを活用し治療のハードルを下げる

メドレー(東京都港区)は2009年創業の医療情報会社で、運営するオンライン医療事典「MEDLEY」は、ネット医療情報が氾濫する中にあって、信頼度の高さに定評がある。脳神経外科医だった豊田剛一郎氏が2015年に代表に就任し、2016年2月からオンライン診療アプリ『CLINICS』の運営を開始した。2017年5月時点で500近い医療機関と提携している。

メドレーの豊田剛一郎代表。「オンライン禁煙外来」で治療のハードルを下げることを狙う(記者撮影)

「喫煙によるコストは従業員1人当たり年間50万円、長期病欠によるリスクも非喫煙者に比べて高い。従業員にたばこを吸ってほしくない企業は多いはず」(豊田代表)。そういった企業や健康保険組合と契約して医療機関とつなぎ、スマートフォンによる遠隔診療を可能にしたのが「オンライン禁煙外来」だ。

初診のみ対面で、2回目以降の予約~診察はスマホ。診察後に処方箋とともに薬が配送される。一酸化炭素(CO)測定がないため自由診療となるが、それでも最後まで続ければ成功率は80%という実績がある。

出張や急な会議で予約をキャンセルする場合にも対応がしやすく、禁煙外来へのアクセスというハードルを下げる役割を果たす。現在、健康保険組合との契約件数は3件で、これから新規契約拡大に動く。

キュア・アップ(東京都中央区)は違うアプローチで禁煙を支援する。もともと呼吸器内科医の佐竹晃太社長が、米国ジョンズ・ホプキンス大学に留学したときに糖尿病などで使われるソフトウエアによる病気治療「モバイルヘルス」に薬と同じくらいの効果があることを知り、2014年に帰国して会社を設立した。現在も臨床医と社長の二足のわらじを履く。

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