サッカーも人生も「ミス」をするから面白い!

村井チェアマンが語る、Jリーグの今後(下)

――職員の反応はどうだったのか?

Jリーグの職員は約50人、関連会社を含めて100人ほど。全職員を集めて方針を発表した。ただ、笛吹けど踊らずなのか、それとも踊っているのかよくわからなかった。私があまりにも門外漢だったからだろう。職員と目線を合わせるのに苦労したのを覚えている。あまりうまくかみ合っている感じではなかった。

2014年の1月31日に就任したが、3月8日には浦和レッズで差別的な横断幕(JAPANESE ONLYの文字が入った)が掲げられた問題があり、Jリーグ史上初めて無観客試合という裁定をした。その後、6月には日本代表がブラジルワールドカップのグループリーグで敗退してしまう。職員としっかり語る機会は、あの頃はあまりなかった。

クラブの社長は「村井って誰だ?」

――改革を進めるには組織的な課題もあった。

Jリーグは非常にプロフェッショナルな組織だった。サッカーの試合を運営する組織もあれば、広報、メディア対応、メディアを活用する部署、さらには会計の部署もあったり。それぞれがプロフェッショナルの集合体だ。

2016年にパフォームとの大型契約を発表し、今後の中継はダ・ゾーンにった。だが、これよりも前からJリーグはさまざまな改革を進めてきた(写真:Jリーグ)

ただし弊害もある。硬直化した組織になりやすいことだ。ある分野について「彼しかわからない」などと属人化が進み、情報が偏在する。貴重な情報がほかの部署に流通しないということが起こる。

一方、クラブも同じような課題を抱えていた。私はクラブ経営の経験もなく、就任当初はクラブの社長も「村井って誰だ?」という状況だった。

スタジアムやオフィスにも行ったことがなく、それでは仕事にならない。最初の半年で51クラブを回った。クラブも、運営やサッカーの強化に携わる部隊もあれば、営業の部隊もある。管理部門もあって、縦割りになりがちだ。そして、デジタルに明るい人材が必ずしもいるわけではないことがわかった。

財政的な問題に加えて組織をどう変えていくのか。立ち上がりの頃はそんなことを考えていた。

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