アスリート、モデル、タレント、セレブ層らの間では、15年以上前から個人トレーナーを雇う人はいたものの、世間的には、「パーソナルトレーニング」はさほど浸透していなかった。それが、ライザップの影響もあり、パーソナルトレーニングが一般化。近年はパーソナルトレーニングジムが急増している。
パーソナルトレーニングジムの“からくり”
いったい、その仕組みはどうなっているのだろうか。今春、東京・南青山で女性専用のパーソナルトレーニングジム「BLENDA GYM」を立ち上げたROOL WORKOUT代表の玉置達彦さんによると、パーソナルトレーニングジムは一般的なフィットネスクラブと比べて、初期費用が低く、参入しやすいビジネスだという。しかも、「近年は小スペースで展開しているジムが増えています」と玉置さんは話す。
BLENDA GYM南青山店は約50平米で家賃が35万円。いくつもの個室があるジムほど広くはないが、クライアントとマンツーマンのトレーニングをするには十分の広さがある。大手フィットネスクラブにあるようなマシンは高額なうえに、設置スペースが必要になるが、パーソナルトレーニングジムはダンベルやバーベルなどを使用するフリーウエイトが中心。設備投資が少なくて済むだけでなく、スペースもさほど必要ない。
同ジムの入会金は3万8000円、全16回(週2回×8週/施設利用時間90分)のボディメイクプランは19万6000円(料金は税別)。食事指導、広告費に大きな予算をかけていないこともあり、ライザップの16回コースと比べて、料金は3分の2ほどだ。
既存のパーソナルトレーニングジムを研究して、新規オープンの参考にしたという玉置さんは、ライザップの経営スタイルに驚かされたという。
「純粋におもしろいと思いましたね。ホームページを見たり、体験者の話を聞くと、パーソナルトレーニングとしては比較的当たり前の内容です。だけど、インパクトのあるCMを流して、PRし続けることで、新たな顧客をつかんでいるわけですね」
同じパーソナルトレーニングジムでもBLENDA GYMの場合は、戦略が大きく異なる。
「大手フィットネスクラブのようにオープン時に会員を100人規模で集めるかたちではありません。イメージとしては、月5人以上入会していただいて、2カ月間ごとにローテーションしていくような仕組みですね。主なターゲットは30~40代の美容・アパレル・出版関係の方々です。南青山スタジオは発信をメインにしようと考えているので、賃料が高い分、採算的には少し赤字になってもいい。まずはブランディングを確立して、全国にスタジオを展開していくことで、経営として成り立っていければなと思っています」と玉置さんは語る。
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