中野:いや、でも50歳ということは、大学をストレートで卒業して新卒入社した人なら、かれこれ28年間サラリーマンをやっているわけでしょう。冷静に自分のサラリーマン人生を棚卸しして、ここからの10年間で、60歳からの自分をどうするかをしっかり考えて意思決定し、努力することが大事だと思います。50歳になった時点で、自分が役員コースに乗っているかどうかはわかるじゃないですか。もう、これ以上の出世はないと思うなら、会社に忠誠を尽くす必要もない。あとは定年後の自分を考えて、会社を利用できるところは利用すればいいのです。
渋澤:今まで受動的にサラリーマンをやってきた人が50歳になり、これからは自分で意志を持って動かないと、60歳以降の人生が悲惨になるということですね。
中野:そうです。
渋澤:確かに、多くの人は自分の地位や価値観を、会社に委ねてきたわけですが、定年になったら、そんなものは何の役にも立たない。そういう意味では、リセットする必要がありますね。
中野:会社が自分の人生のすべてになっている人も、結構いますからね。出世の階段を上ってきた人ほど、その傾向がひどい。「家族がいるから仕方がないんだよ」なんて言い訳をしながら、上司の靴をなめているような人が、どの組織にもいます。そういう人は、リセットするのもかなり大変ではあるでしょうね。
藤野:自分の強みは何なのかを、部下や同僚に聞いてみるのがいいのではないでしょうか。そうすれば、自分は何を武器にして、これから生きていけばいいのかがわかると思います。
妻の話をじっくり聞き、「話させ上手」になろう
渋澤:あと妻も、忌憚(きたん)のない意見をズバズバ言ってくれるはずです(笑)。
中野:リセットという意味では、夫婦関係の見直しというのも、いろいろありますよね。最近は「卒婚」なんて言葉もあるくらいだし。
渋澤:ありますね~(笑)。
中野:50代になり、長年連れ添った妻への愛情表現は、どういうものなのですか。
渋澤:妻の話をじっくり聞くこと。
藤野:話させ上手になることが大事かも。
中野:女性は60歳になってからも人生イキイキじゃないですか。自分の住んでいるところにコミュニティがあって、友人もいる。男は仕事を離れると、何も残らない。
渋澤:しかも、仕事を辞めて家にいると邪魔者扱いになりますからね。「夫源病」なんて言葉もありますし。ちょっと男性目線になりますが、それでも50代の、特に男性には、「あきらめるな」という言葉を贈りたいと思います。
中野:死ぬ気でリセットしないといけませんね。仕事も資産形成も、そして夫婦関係もね。
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