北朝鮮「ミサイル開発」3人のキーマンの正体 金正恩労働党委員長が特別に重用
[ソウル 26日 ロイター] - 北朝鮮が進める核・ミサイル開発は、金正恩朝鮮労働党委員長が特別に重用する3人の人物が鍵を握っている。
元空軍司令官の李炳哲(リ・ビョンチョル)氏、ベテランのロケット科学者である金正植(キム・ジョンシク)氏、国防科学院の張昌河(チャン・チャンハ)院長の3人だ。
北朝鮮が最近行ったミサイル発射実験の後、国内メディアが伝えた写真や動画には、金正恩委員長がいつもこの顔ぶれと笑顔で抱き合ったり、たばこを吸うなどして「成功」を祝う様子が映っている。
他の側近らが金委員長と話す際には、敬礼したり口を手で隠すなど追従的な態度をとるのが普通で、3人の物腰は明らかに異例だ。ミサイル開発の頂点に立つこの3人に、西側の安全保障・諜報機関は強い関心を示している。
北朝鮮の元軍当局者で、韓国に脱北して今はシンクタンクを経営する安燦一(アン・チャンイル)氏は「金正恩氏は官僚を頼るのではなく、これらの技術者をそばにはべらせ、直接接触して素早く動くよう促している。彼がいかにミサイル開発を急いでいるかの表れだ」と話す。
北朝鮮指導部に詳しい専門家らによると、金正植、張昌河の2人はエリート一家の出身ではなく、3人とも金正恩氏が自ら白羽の矢を立てた。
事情に詳しい韓国高官は「金正恩氏は父(故金正日氏)の主要な側近らとは別に、次世代の人々を育てている」と語った。
北朝鮮指導部についての専門家、マイケル・マッデン氏は「北朝鮮のミサイル計画を21世紀へと持ち込んだのはこの3人だ」と言う。
専門家らによると、3人の中で最も際立った存在が李炳哲氏だ。韓国政府と米財務省によると、現在は弾道ミサイル開発を管轄する労働党・軍需産業局の副局長を務める。
マッデン氏と韓国政府高官によると、李氏は1948年生まれで、ロシアで教育を受けた経験があり、金正恩氏が権力の座を登り始めた2000年代後半に昇進した。
マッデン氏は「3人の中で一番の重要人物が李炳哲氏だ。彼は金正恩氏が(ミサイル開発について)ろくろく語れないころから中枢にいた」と話した。
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