良作マンガのPRは「コマ画像」の拡散が有効だ ヒット作でなくても認知される仕組みとは?
他人の書いた絵を自分のSNSなどに投稿する場合に「引用」(著作権法32条1項)が認められるためには、引用する側の著作物が「主」で、引用される側の著作物が「従」といえること(主従関係)が要件の1つとなる。しかし、レビュー記事を書く場合などはともかく、マンガの中からコマ画像をそのまま使用する場合は、これに当てはまらない場合がほとんどだろう。それでも、コマ画像をWebサイトやブログ、ツイッターなどのSNSで使用されることは多く、「グレー」な状態が放置されている。
そこで、権利者から利用許諾を受け、法的問題をクリアしたマンガのコマを無料で使えるサービスが登場した。2月末にローンチされた、マンガのコマ埋め込みサービス「マンガルー」だ。
著名作品もラインナップ
マンガルーを運営するムーヤン代表取締役の渡邊健太郎氏は「著作権法上の引用要件は不明確で、特に昨年末の『WELQ(ウェルク)事件』以降、使う側が萎縮している。不正利用撲滅というネガティブな観点ではなく、『このやり方なら積極的に使って問題ない』ということを明確にして、利用を簡単にできることが大切」と指摘する。
想定される利用者は、一般ユーザーだけでなく、オンラインメディア運営者やブロガーなどだ。サイトやソーシャルなどに使われているコマは、マンガルーのサーバーから配信されている。アマゾンや楽天などへのリンクが表示されており、作品購入への送客ができる仕組みだ。
『サラリーマン金太郎』(本宮ひろ志著 5月31日までの期間限定配信)や『カイジ』(福本伸行著)など、累計の部数が数千万部に達する著名作品もラインナップされている。すでに用意されたコマだけでなく、自分が作品から切り取って使用することも可能だ。ただ、使用するには審査を通らなければならず、メールアドレス、使用するサイトのURLなどを申請し、承認されたサイトにアカウントが発行される。
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