「ミニトランプショック」の日本株はどうなる NYダウ「最大の下げ幅」の裏で起きていること
筆者は今回、弾劾裁判からトランプ辞職へと至る確率はかなり低いと思うが、たとえここをしのいでも最低の支持率を「誇る」トランプ大統領が在任している限りは、「ミニショック」はこれからも度々(定期的に?)起きると考えた方が良い。しかし、過去の例で示されているように、ショック安は多少の日柄の違いはあるが、ほぼすべて買い場になっている。これからも賢く対処したいものだ。
上昇のサイン「ゴールデンクロス」が示現
先週末の日経平均株価の25日移動平均線(25営業日の平均売買コスト)は1万9210円に、75日の移動平均線(75営業日の平均売買コスト)は1万9200円だった。つまり、25日と75日移動平均が逆転し、ゴールデンクロス(短期の移動平均線が長期の移動平均線を下から突き抜けること)が実現したことになる。
この現象は去年8月12日にも起こり、その時も「買いシグナル」としてかなり話題になったが、実は市場はその後9月いっぱいまで鳴かず飛ばずの展開だった。そのため、投資家の記憶から消え去っていたが、トランプ大統領登場という予期せぬ新規材料があったとは言え、そのゴールデンクロス時点(日経平均1万6919円)から結局日経平均は3000円以上の上昇となった。
トランプ大統領の登場でマーケットは大きく動いたが、実際はこの時点ですでに米国経済は一段の好調を示す兆候があった。需要がすでに高まっているのにさらに需要創造しようとする「トランプ高圧経済」はまったく進んでおらず、大型減税、大規模インフラ投資、規制緩和に対する市場の期待はすでに剥落している。にもかかわらずダウは370ドルの下げのあと200ドル戻して、史上最高値近辺の揉み合いを維持している。
チャートは過去の現象から未来を予測するツールだが、過去と未来の市場要件は同じではない。もちろんここが3000円高のスタートと言い切れるものではないが、日経平均のこのゴールデンクロスが何を意味するのか興味津々だ。
最近の市場センチメントは強気派も弱気派もトーンダウンしていた。今回のトランプショック安はマーケットのよどんだ空気に、風を送り込んだ結果になったかも知れない。
今週の日経平均の予想レンジは1万9500円―2万円とする。日経平均のEPS(1株利益)が1396円の史上最高水準になっており、下値の心配は少ないが、今週は日米とも大きなイベントはない。企業の決算発表も一巡し、アナリストの個別企業訪問が佳境に入る。当面は、個別株物色の展開となるだろう。日経平均がどうこうではなく、個人投資家は好業績銘柄を買うなどして、ゆっくり行けば良いのではないか。
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