「地毛証明書」問題で暴かれたニッポンの本性

日独ハーフの筆者がこうも不気味に思うワケ

逆もまたしかりで、子どもの頃は直毛でも、思春期の頃には自然にウエーブ(日本では癖毛=治すべきものという解釈が目立ちます。しかし、そもそも髪質に「良い」も「悪い」もありません。そのため今回あえて「癖毛」ではなく「ウエーブ」と書かせていただきます)のかかった髪になっていることもあります。

そして、大事なことを忘れていました。ドイツを含むヨーロッパでは、3歳ぐらいまで頭髪が薄く、いわゆる「ハゲ」状態の子も少なくありません。もちろん成長とともに髪が生えてきますが、その後さらなる成長とともに男性は髪が再び後退していったりもします。あ、これは、万国共通でしたね。

何が言いたいのかというと、「幼少期の毛の状態を映した写真」ほどアテにならないものはないということです。

「外国人の血が入っていることが明らかな場合は、学校側もそれを考慮するはず」と考える人もいるかもしれませんが、今の世の中、外国人と日本人の「境界線」は非常にあいまいになっていることをご存じでしょうか。たとえば、顔立ちや肌の色は「日本人風」の人でも、髪の質は黒人である祖父に似ていたり、目鼻立ちは「日本人風」でありながら、髪の色は白人である祖母に似て明るめであったりすることは珍しくありません。

「外国人」や「ハーフ」というと、日本人はパッと見て外国人だとわかるような風貌の人を想像しがちです。でも実際には「どう見ても日本人に見えるけれど、外国にルーツを持つ人」は少なくありません。そういった境界のあいまいな市民も含めて受け入れてこその「グローバルな世の中」なのではないのでしょうか。

「髪を染める」=「悪」って本当?!

加えて、生徒が本当に髪を染めていたとしても、21世紀における世界の先進国では「髪を染める」=「悪」という考え方は馴染みのないものです。

たとえば、筆者の母国であるドイツの学校では生徒の「頭髪」に関するルールは皆無です。ドイツにおいて、生活態度に関する指導は家庭の管轄。学校は主に「勉強」を教えるところであり、取り締まったところで何も改善しないというのがドイツ流の考え方です。

もちろん、いわゆる不良の通う学校のほうが、派手な髪型の生徒が多いのは事実。筆者が通学していた一昔前なら、刈り上げたパンクな髪型や、緑色に染めた髪などの生徒がいました。筆者自身は、比較的まじめな生徒の多い学校に通っていたため、クラスにいる生徒たちの多くが平均して地味な髪型でしたが、思春期真っただ中のある日、髪の毛を緑色に染めて学校へやってきた同級生がいました。

でも先生のほうが一枚うわてでした。教室に入ってくるなり先生は「うわー、緑色の髪! すてきね。先生も緑色に染めようかしら?」と言ったのです。髪を緑色に染めることで、先生やら世間というものに反抗してやろう!という意気込みがあったのだとしたら、その生徒にとっては何とも拍子抜けする結果だったに違いありません。しばらくすると彼の髪は元の自然な色に戻っていました。

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