「自民党」盤石じゃないが優位は崩れない理由 固定票は減っていても他党に比べれば分厚い

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それに対して、第2次広報改革の中心に据えられたのは、インターネットである。野党に転落し、新聞やテレビといった既存のメディアへの露出が減少した自民党は、インターネットを通じた独自の発信に活路を見いだした。ネットユーザーによる自民党応援団である自民党ネットサポーターズクラブ(J-NSC)の結成、日本の政党として初の公式フェイスブックページの開設、党本部の1階の喫茶店にある特設スタジオから配信されるインターネット生放送「カフェスタ」の開始などは、その例である。

このようなネット戦略が、ネット選挙の解禁に対する自民党の積極的な方針へとつながった。2013年に公職選挙法が改正され、ネット選挙の解禁が決まる。同年の参院選で、自民党はネット選挙を担当する「トゥルースチーム(T2)」を立ち上げ、ネットの炎上監視・対策、ネット上の情報の収集・分析・対策、党の方針を伝えて候補者の情報発信を手助けするアプリの開発・運用などを実施した。こうしたネット選挙への対応で、自民党は他党に大きく先行しているといわれる。

ただし、以上にみたような広報改革の成果を、過大に評価するのは正しくない。そのことは、ポスト小泉の3人の首相が失敗を重ね、2009年の下野を招いたという単純な事実からも明らかであろう。自民党本部の選対関係者も、次のように力説する。「広報には、良いものをより良く見せる効果はあっても、悪いものを良く見せる効果はありません。だから、広報戦略を過信すべきではないと思います。実際、選挙では候補者選びなどのほうがよっぽど大切なのです」。

野党の分裂

なぜ2012年と2014年の総選挙で、自民党は2005年に匹敵する勝利を収めることができたのか。2012年は野党であったから、2005年と同じく与党として迎えた2014年を中心に考えていきたい。

小泉政権と第2・3次安倍政権に共通するのは、高い内閣支持率である。NHK放送文化研究所の政治意識月例調査によると、2005年と2014年の総選挙の直前の内閣支持率は、いずれも47%であった。それぞれ政権がスタートして、4年3カ月後と1年11カ月後のことである。内閣支持率が危険水域とされる30%を1年足らずで割り込み、20%程度にまで落ち込むことが多かった第1次安倍・福田・麻生内閣、あるいは鳩山由紀夫・菅直人・野田佳彦の3代の民主党政権とは、顕著に異なっている。

しかしながら、2014年の自民党の絶対得票率は、小選挙区で24.5%、比例代表では17.0%にとどまっている。2005年が小選挙区で31.6%であり、比例代表でも25.1%を記録したことに比べると、かなり低い。安倍首相の下での最近の自民党は、高い内閣支持率にもかかわらず、郵政選挙の際の小泉首相のような無党派層の動員には成功していない。無党派層をターゲットとする広報戦略が大きな成果を上げているとは、とうてい見なせないであろう。

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