中野:話を元に戻すと、五月病はつらいけれども、社会人として生きていくためには、そこを乗り越えなければならない。私は、なかなか社会人生活に適応できませんでしたが、偉そうな上司の中にも、バカなおじさんが結構いて、バカでも給料をもらって勤め続けていられると思ったら、なんだか安心して、そのうち五月病を克服できたという面はあります。社長だって、実は大したことなかったりするわけですから、会社の人間関係も含め、現実をしっかり見ることが大事です。それが、五月病の克服にもつながっていくと思います。
藤野:学校のクラスと同じですよ。学校に入ると、合う人、合わない人がいるじゃないですか。それと同じ。そう思えば、いろいろなことが受け入れられて、五月病から抜けられます。
中野:日本人ってレッテルを貼るのが得意というか、レッテルに弱い面がありますよね。東大卒とか、部長とか、あるいは超一流企業とかね。
藤野:いわゆる一流商社は合コンの王様ですが、これも一流商社というレッテルの賜物ですからね。
中野:人生50年も生きると、ほとんどのレッテルは張りぼてだとわかります。
「3つの目」で自分の会社を見つめなおす
渋澤:虫の目、鳥の目、魚の目ってあるじゃないですか。新入社員で社会人生活がスタートしたばかりの頃は、おそらく虫の目しか持っていないから、周りのことが見えず、五月病になるのです。
だから、やや高いところから周りが見えるように、鳥の目を持つ努力をすると良いでしょう。それに加えて、魚の目で自分が入った会社、社内の環境、仕事の内容が、時代の流れに合っているかどうかもチェックするようにします。新人のうちにそこまでの目を持つのは大変ですが、仮にその3つの目で自分の会社を見て、それでもやはり自分には合わないと思ったら、転職しましょう。
中野:辞めても、十分にやり直しは利きます。なにしろ今は人手不足の時代ですから。ただ、上司は新人と仕事をすることに、本当はワクワクしているのです。だから、厳しいことを言うときもありますが、それは新人に対する愛であると、ほんのちょっと思ってください。
藤野:マーケットと同じで、社内の人間も長期的には効率化され、人格に欠ける人は、やはりどこかの段階で淘汰されます。組織ってそういうものです。
中野:いや、でも間違ったプライシングのまま出世する人もいますよね(笑)。
藤野:まあ、それもマーケットですよ。100パーセント正しいことなんてないのです(笑)。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら