「平野レミ」を姑に持った妻から見える光景 料理へのこだわりは、やはり尋常ではない
「あはははははははっ、ははははははっ、ははははははっ! 料理ができないなんて、そんな人がいるの!? 大丈夫、私が教えてあげる!」(レミさん)
「ホッとしました。こんなことさえ面白がってもらえるんだ。良かった。ありのままを受け入れてもらえるっていう、このお義母さんなら、なに言っても大丈夫そうかなって」(明日香さん)
「ほうれん草のゴマ和え」はシンプルな料理だから、とレミさんが最初に教えてくれたもの。レミさんのレシピではしょうゆ、砂糖、すりゴマを加えて完成だが、明日香さんは、しょうゆのかわりにエスニック料理で使うナンプラーを使った。結婚当初から作りなれた料理だが……。
「しょっぱかったかも……。普段、ゴマ和えを作るときには、何も気にせずバーッと作っても、いつもの味にできるんですけど、なんか今日、モタモタしちゃった」(明日香さん)
プロの舌はごまかせない
緊張気味の明日香さん。レミさんの舌は、どう判定するのか?
「私が作ったみたい! 一緒一緒!」(レミさん)
しかし……。
「私は年寄りだからさ、ちょっと濃い! 若い子って濃いもんね。ハツラツだからね。このくらいパワーなくちゃね、バンバンね。おいしいよ」(レミさん)
おおむねは褒めてくれたが、気にしていた味の濃さはやはり指摘された。プロの舌はごまかせない。
「初めがダメすぎたから、その落差で完璧! 最初は、シジミがアサリになって、ハマグリになる出世貝だと思っちゃうなんていう嫁がうちに来たのよ。レタスとキャベツは地方によって呼び方が違うものだと思ってたんだって。うちの息子、殺されちゃうと思ったもんね。」(レミさん)
嫁が姑に贈る2品目は、「和田家の一員になれた料理」。レミさんいわく「私の大好きなやつ」。それは、和田家に代々伝わる手作りのふりかけ。実は、和田家というのは、知る人ぞ知る華麗なる一族。和田誠さんは、『週刊文春』のイラストやたばこのハイライトのデザインで知られるイラストレーター。兄・唱さんはロックバンド「トライセラトップス」のボーカルギター。その妻は女優の上野樹里さんだ。
この一家に受け継がれたふりかけは、材料が一風変わっている。その時その時、冷蔵庫の中に残っているものが材料。いわば「残り物ふりかけ」。たとえば、大根料理を作った時に普通なら捨ててしまうむいた皮、ボサボサの葉。海苔やゴマやジャコ、賞味期限が迫ったものを集めて細かく切って、ふりかけにする。
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