時価総額42兆円!米国で話題のMLPって何だ ゴールドマン・サックスのキリ・ルーピス氏に聞く、シェール革命の実態

拡大
縮小

――MLP投資に過熱感は出ていないのですか。

われわれはそう考えていない。

足元のバリュエーションを見ると、MLPの配当利回りは先ほど話したように6・5%あり、REITや10年もの米国国債(約2・5%)と比べると、とても大きなスプレッドとなっている。

FOMC(米連邦公開市場委員会)がQE3(量的緩和第3弾)を縮小すると言われているが、仮にそれによって将来、国債金利が4%程度まで上昇したとしても、まだMLPの配当利回りとのスプレッドでは余裕がある。加えて、(MLPの持ち分時価総額の拡大につながる)9%の高成長率というストーリーもある。

――今、米国でMLPにまつわるホットトピックは何ですか。

米国でもこうした話、つまりMLPの存在自体がホットトピックなのだ。これまでは個人投資家などリテールが主体だったが、最近では州の年金ファンド、投資ファンドなど機関投資家がMLPに目を向け始めている。MLPはまだ投資家の間での認知度が低く、今後も資金流入が続く可能性が高い。

野村 明弘 東洋経済 解説部コラムニスト

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のむら あきひろ / Akihiro Nomura

編集局解説部長。日本経済や財政・年金・社会保障、金融政策を中心に担当。業界担当記者としては、通信・ITや自動車、金融などの担当を歴任。経済学や道徳哲学の勉強が好きで、イギリスのケンブリッジ経済学派を中心に古典を読みあさってきた。『週刊東洋経済』編集部時代には「行動経済学」「不確実性の経済学」「ピケティ完全理解」などの特集を執筆した。

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