時価総額42兆円!米国で話題のMLPって何だ ゴールドマン・サックスのキリ・ルーピス氏に聞く、シェール革命の実態

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REITによく似ている、MLP

――その川中でのプレイヤーとなるMLPという投資事業形態は、日本ではあまりなじみがありません。

形としてはREIT(不動産投資信託)に非常に似ている。企業レベルでは課税されず、キャッシュフローを配当の形で投資家に還元するときに課税される。リターンは、四半期ごとの配当。現在の配当利回りは6・5%と高く、さらに配当の成長率も9%と非常に高い。一方、REITでは配当利回りは3・5%に過ぎず、配当の成長率はMLPの約半分となる。

――実際の事業の特徴は何ですか。

パイプラインやタンカー、貯蔵の施設など実体資産を保有し、石化エネルギーの生産と使用以外のところはすべてカバーする。先ほどキャッシュフローが非常に安定していると話したが、それは天然ガスや石油価格に連動せず、インフレ・ヘッジも行われるフィーベースの収入になっているからだ。ボリュームに比例するので生産拡大の恩恵をダイレクトに受ける。また契約も10年以上の長期のもので不確実性が低く、取引先はエクソンやシェブロン、テキサコなど大手エネルギー企業。カウンターパーティ・リスクやクレジット・リスクもとても小さい。

安定したキャッシュフローを説明するには配当を例に挙げるとわかりやすい。1998年のMLPの配当を100とすると、12年には300と3倍になった。しかも毎年着実に伸びていて、リーマンショックの時にも伸びはプラスだった。MLPは時価総額の伸びが著しいが、IPO(新規上場)が活発で、11年と12年に14社ずつ、今年は半年で9社が新規上場した。

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