私鉄「通勤ライナー」は本当に人気があるのか 京急・京成・東武・西武の現状をチェック!
京急と同様、座席定員制から座席指定制に移行した例として京成がある。同社は空港特急「スカイライナー」用車両のAE形を使用した座席指定制の通勤ライナー「モーニングライナー」「イブニングライナー」を京成上野駅―京成成田駅・成田空港駅間で運行しているが、2015年12月5日のダイヤ改正時に座席指定制へと変更した。
「モーニングライナー」「イブニングライナー」に使用されるAE形は、回転リクライニングシート、トイレ、電源コンセントなどを備えた特急用車両だが、料金は大人410円、小児210円に抑えられており、乗り得列車と言える。また「モーニングライナー」については、指定列車の同じ座席を1カ月間(土休日を含む)毎日利用できる「モーニングPASS」が8000円で発売されている。
2015年12月のダイヤ改正で停車駅に追加された京成船橋駅での利用状況を見るため、ある平日に京成上野駅18時00分発「イブニングライナー61号」京成成田行き(列車番号:18AE09)3号車に乗車した。3号車の乗車率は、京成上野駅出発時点で約60%、日暮里駅出発時点で約85%となった。京成船橋駅での下車は約10人であった。
「イブニングライナー」は京成上野駅発18時00分から23時00分まで7本が運行されている。このうち23時00分発の最終列車については、成田空港発のLCC早朝便利用者に向け、前日に空港入りする方法としてこの列車の利用を提案する広告を日刊紙に掲載し、通勤以外の利用を促進している。通勤客だけでなく空港利用者の利用拡大も図っている点に京成の特徴がある。
定着した東上線「TJライナー」
一方、座席指定制と座席定員制の両方の列車を運行しているのが東武である。同社は、伊勢崎線・日光線系統では座席指定制の有料特急を、東上線では座席定員制の「TJライナー」を運行している。
「TJライナー」は、夕方以降に池袋駅→森林公園駅・小川町駅間で運行され、池袋駅からの乗車のみ着席整理券が必要であるが、ふじみ野駅以遠は料金不要の自由乗降区間となる点で、京急「ウィング」と同様の運行形態を取る。朝は森林公園駅→池袋駅間で平日2本のみ運行しており、こちらは途中停車駅から乗車の場合も着席整理券が必要で、池袋駅以外の下車は不可となっている。
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