私鉄「通勤ライナー」は本当に人気があるのか 京急・京成・東武・西武の現状をチェック!

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首都圏大手私鉄の座席定員制ライナー、または座席定員制から始まったライナー列車の最大のセールスポイントは、コーヒー1杯分程度の料金で気軽に利用できることである。「TJライナー」を除いて、平日は各列車とも均一料金を採用している。各列車がおおむね高い乗車率を達成している大きな要因の1つは、手ごろな料金設定にあるだろう。逆に料金設定を誤ると、乗車率は低迷しかねない。車内設備や所要時間に見合った料金設定が重要である。

西武の「S-TRAIN」については、地下鉄線内のみの利用を認めるとともに、運行区間の拡大と停車駅の追加で利用促進を図る必要がある。

「S-TRAIN」の現状について、内閣府消費者委員会委員として鉄道運賃制度について審議した経験をもつ細川幸一・日本女子大学教授も「地下鉄線内のみの利用を認めれば、まだまだ需要は掘り起こせるはず。小竹向原駅に停車させ、東武東上線方面への乗継客にも便宜を図るべきだ」と強調する。筆者も、今後増備編成を活用し、新木場駅―飯能駅間に運行区間を拡大するとともに、永田町駅、池袋駅、ひばりヶ丘駅を停車駅に追加することでさらなる需要拡大が見込めると考える。

地下鉄直通特急・ライナー拡大を

そして、京急「ウィング」「モーニング・ウィング」については、都営浅草線への直通を検討してはどうだろうか。平日は通勤利用の利便性向上を図るとともに、土曜休日には浅草や東京スカイツリーへの観光利用も期待できそうである。また、東京都交通局にとっても新たな収入源となる可能性を秘めている。

小田急電鉄の東京地下鉄(東京メトロ)千代田線直通特急が先鞭をつけた地下鉄直通有料列車は、西武「S-TRAIN」にも拡大した。沿線の魅力向上を図るためにも、地下鉄直通特急・ライナー列車の拡大が期待される。

次回は、有料特急における通勤利用の実態を紹介するとともに、首都圏大手私鉄の通勤ライナーに対する提言を試みる。

大塚 良治 江戸川大学准教授

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おおつか りょうじ / Ryouji Ohtsuka

1974年生まれ。博士(経営学)。総合旅行業務取扱管理者試験、運行管理者試験(旅客)(貨物)、インバウンド実務主任者認定試験合格。広島国際大学講師等を経て現職。明治大学兼任講師、および東京成徳大学非常勤講師を兼務。特定非営利活動法人四日市の交通と街づくりを考える会創設メンバーとして、近鉄(現・四日市あすなろう鉄道)内部・ 八王子線の存続案の策定と行政への意見書提出を経験し、現在は専務理事。著書に『「通勤ライナー」 はなぜ乗客にも鉄道会社にも得なのか』(東京堂出版)。

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