マクロンとルペンは「防衛政策」に大差がある フランスを「守れる」のはどちらの候補か

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一方、現在議員数がデュポンエニャン下院議員1人であるDLFとしては、FNとの提携を通じて議席数を増やす考えで、6月の国民議会選挙が視野に入った戦略である。

また今回、選挙運動費用に関する規定の中には、第1回選挙の支出上限は1685万1000ユーロで、費用の還付は得票率が5%以下の候補者には上限額の4.75%(約80万ユーロ)となっているため、支出170万ユーロで、得票率が4.7%だったデュポンエニャン氏は、ルペン氏と協力することにより資金的に困難な状況を乗り越える目的もあるとされる。

さて、テロの脅威が続き、世界情勢がめまぐるしく変わる中で、注目されるのは、マクロン、ルペン両候補の安保・防衛政策である。似通った政策案もあるが、大きく異なるのはEU、北大西洋条約機構(NATO)に対する立場だ。マクロン氏は新EU、ルペン氏は反EU・反NATOである。

ルペン、マクロンの防衛政策の内容は

マクロン氏は、“「ゴーリスト(ド・ゴール主義)でミッテラン派」であると述べており、「親欧州、人間主義(ヒューマニスト)で独立したフランス」を目指している。そして、独立した国家のキーポイントは抑止力であり核戦力の維持・近代化だと述べ、国民を守るためには独自の能力と同時に、国家・欧州・NATO・国連の4つのレベルにおける戦略的アライアンスの強化が必要だと説明する。

このほかにも、国防予算を2025年までにGDPの2%に増やすことや(現在は1.7%)、徴兵制(1カ月間)の導入、サイバー防衛・サイバーセキュリティの強化案を掲げるほか、欧州防衛強化に向けて、NATOと連携しながらオペレーションの企画やコーディネートなどを行うことを提案している。一方、NATOについては、これ以上の拡大はせずに、フランス権益に直接関係するケース以外の介入は限定的にするとしている。

一方、ルペン氏は、国家主権を取り戻すために行なうべき政治的任務として、「核抑止力の存続」、「領土の保護」、「同盟関係の改革」の3つの分野があると述べている。

NATOの統合軍事機構からの脱退を掲げ(フランスはNATO創立メンバーの一国であったが、ド・ゴールの時代の1966年にNATOの統合軍事機構から脱退。その後2009年のサルコジ政権下で復帰している)、国防予算は2018年にはGDP2%、そして2022年までにGDP3%(600億ユーロ)へと増加させるとしている。これには2隻目の空母、人員5万人増強、核戦力の維持、軍装備の近代化などが含まれる。また徴兵制(3カ月間)の導入も提案している。

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