社畜寸前の広告マンの生き方を変えた気づき 3カ月で5大陸18カ国旅して起こったこと

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そんな私ですが、社会人2年目までは海外旅行経験はほぼゼロ。そのうえ、激務が続く広告代理店で「社畜寸前」の毎日でした。平日は毎日終電近くまで働くか、飲み会でタクシー帰りの日々。休日は睡眠か合コン。それでも特にやりたいことがなかったので、何の疑問も持たず社畜寸前生活を満喫していました。しかし、社会人3年目に大きな転機が訪れます。

2012年5月、私はひょんなことからアメリカ・プロバスケットボールリーグNBAの超レアチケットを手に入れます。会場はロサンゼルス。しかし、そのチケットを手に入れたのはまさかの試合の1週間前。さすがに「来週ロサンゼルス行かない?」と誘っても一緒に行ってくれる友人は見つかりません。それでもどうしてもNBAが観たかった私は、当時TOEICが400点台で英語がまったく話せないにもかかわらず、初めて1人で海外旅行に行くことを決めました。

ロスでは誰も「社畜寸前」ではなかった

UAEでは、砂漠のど真ん中で焚き火をした(写真:筆者提供)

バスケを観たいという一心で始まった初めての1人海外旅行でしたが、驚くことにまったく困ることなく満喫できてしまいました。現地での会話は超カタコトの英語やボディランゲージで十分通用し、念願だったNBAの試合を観ることができただけでなく、観光名所も一通り回ることができ、さらには大学のアメフトの練習にまで潜入させてもらうことができました。

そんな旅で、私は3つのことに気がつきます。

1つ目は、ロサンゼルスには社畜寸前サラリーマンが見当たらないこと。みな平日にもかかわらず、17時を過ぎると多くの人たちがビーチに集まってサーフィンやジョギング、筋トレをしたりしています。夜になってレストランやバーに行けば、誰もが家族や友人たちと一緒に楽しい時間を過ごしています。

もしもこれが日本だとしたら……。同時刻に私はまだ会社で残業をしているか、仕事の飲み会に行っていることでしょう。社畜寸前サラリーマンという生き方しか知らなかった私にとっては衝撃的な光景でした。

2つ目は、今の私は無力だということ。ここでは会社の名刺は使えないし、友人に連絡したところで誰も来てくれません。そのうえ、私は英語が話せない。私にあるのは、大学時代に鍛えた筋肉くらい。日本にいる時は会社に守られていてまったく気づきませんでしたが、海外では「生身の自分」で勝負しないといけません。このままではいけないと、危機感を持ちました。

次ページ3つ目の気づきとは……
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